理由 ページ6
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「…あー、土方さん土方さん。ゴリラが動物園から脱走してるっぽいので電話した方がいいですよ」
「いやゴリラじゃないよ!?確かにゴリラっぽいかもしれないけどゴリラじゃないよ!?」
そう言っている男の人はゴリ、いやちゃんとした人間であった。よく見たら真選組の隊服着ているし土方さんのことをトシと親しげに呼んでいる。それにしてもゴリラだな。
「近藤さん。紹介してなかったな。俺の恋人の橋本Aだ。だから今回の見合いの件はなかった事に…「トシに女ァ!?」…近藤さん、俺の話を聞いてくれ」
そうこうしてる内にとんとん拍子で話は進んでいき私は土方十四郎の彼女、という偽実が完成されてしまった。どうやら後戻りはさせてくれないらしい。
強引で勝手という人柄がより一層強まった気がした。どこまでも生意気な野郎だ。ジト目で土方さんを見つめているとゴリラ
「あっ悪ィ悪ィ!真選組の局長を務めている近藤勲だ!よろしく頼む!」
ニカッと言う効果音をつけながら笑い、私に握手を求めるこの男性。見るからに人柄が良さそうだ。憎めないなァと思いながら思わず私も手を握った。一応局長様という事で深々とお辞儀をしながら軽く自己紹介をする。
「橋本Aです」
「──────で、話を戻すが」
土方さんの言葉によって私と近藤さんは彼に顔を向けた。相変わらず煙草を片手に余裕の表情を浮かべてやがる腹立つイケメン。
「近藤さん。俺ァこいつと付き合ってるから見合いは出来ねェ。この話はなかった事にしてくれ」
「しかしなァ…。Aちゃんの前で言うのもアレなんだが、どうにも手強くてな。こりゃァ当日Aちゃんも現地に言ってその相手の人を説得するしか方法はねェな!」
「やっぱりか…」
「いやいやいやいや。別に私は土方さんと別れても大丈b「A。ちょっと来い」ンンンンン」
いきなりグイッと私の腕を引っ張った土方さんは近藤さんに聞こえない程度の小声で「実はよォ」と話しかけてきた。
「昨日は彼女候補にテメェを選んだ理由はたまたまだっつったが…本当は違ェ」
「は?」
私を選んだ理由がたまたまではないと言うこの男。いや街中で急に私に話しかけ、挙句の果てには恋人のフリをしろと言ったからして偶然しか有り得ないだろう。冗談はよし子ちゃんだぞ知らないのか。
「お前ェ、元攘夷志士だろ」
「…………は?」
あ、これ詰んだやつ。
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いくま(プロフ) - ふぉい!さん» 選ばれたのは綾〇ですよ((ニコッ (2018年7月24日 8時) (レス) id: 8c955fc7fb (このIDを非表示/違反報告)
ふぉい! - 選ばれたのは綾鷹wwww (2018年7月2日 19時) (レス) id: 1633712eeb (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - マピトさん» コメントありがとうございます。一番だなんてとんでもないです。。。私もずっと土方さん推しなのでマピトさんの小説読んできます! (2018年4月5日 14時) (レス) id: 8c955fc7fb (このIDを非表示/違反報告)
マピト - 今まで見てきた小説の中でこの小説が一番良いなと思いました。 私も土方オチの小説を書いているので見習いたいと思います! (2018年4月5日 11時) (レス) id: 9353c4256d (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - ユラさん» コメントありがとうございます。瞬時に思って頂き光栄です、笑しかし文才が皆無なのでこらから無茶苦茶展開になると思いますが、これからもよろしくお願い致します。 (2018年4月4日 12時) (レス) id: 8c955fc7fb (このIDを非表示/違反報告)
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