日々是平穏なり【土方十四郎】

馬鹿 ページ36

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「…かつて攘夷戦争時代、」「白夜叉」「狂乱の貴公子」「鬼兵隊総督」「桂浜の龍」「その四人にひっそりと肩を並べていた」「────伝説の攘夷志士」




書類を震わせ、視線を泳がせ今から呼ぶ名を、必死に考える違う、アイツじゃないアイツはそんな事、絶対にしない




「日々是平穏なり」「どういう意味だ、それ」「毎日変わった事もなく穏やかである事」「私の好きな言葉です」そう言ってくしゃりと笑うあの姿が今も脳裏に張り付いて逃げやしない



頼む、頼むよ「そいつの……名は?」頼むから違うと言ってくれ





「─────黒鬼」





約束したんだ、アイツと「攘夷志士とはもう関わってないですよ」「と言うか、二度と関わりたくないです」確かにそう言っていたんだ、アイツは「刀持つのも、誰かを殺めるのも、嫌い」哀しげな目で、そう訴えていたんだ「もう二度とあんな思いはしたくない」アイツは、橋本Aは、




「私が求めるのは、平穏な日々のみ」





なあ、Aあの時言ってた言葉は偽りだったのか俺にはそうは見えなかったお前は本当に、馬鹿だ大馬鹿者だ士道不覚悟で切腹だ




「……副長、どうしますか」だから、絶対ェ切腹させるから「────決まってンだろ」懐から煙草の箱を取り出しライターに火をかけ煙を吸うその瞳孔は、やはり開いたまま






「今すぐ場所特定しろ」「目的は黒鬼救出」「責任は全て俺が持つ」







「真選組、総動員で叩き込むぞ!!!」「〜ッ!はいッ!!!」






お前の背負ったそのナニカ半分でいい、そんだけでいいから俺を頼ってくれよ





─────A





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