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説明 ページ4

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「あァ?」
「いや"あァ?"じゃなくて。貴方が呼んだんでしょ」

 苛立たせながら俺に向かって大声を出す女が1人。その名を橋本A。俺の頼みで恋人役になってほしいと言ったのがつい昨日の出来事。その件についてはまだ返事を貰ってないが、多分ここに来たって事はYESで受け取って大丈夫という事だろう。

「あ。そういやこの人、土方さんの女ですかィ?」

 総悟はふと思い出したかのような態度で橋本Aの方へ親指を差しながら俺にそう尋ねられた。するとAはギョッとした表情と共にすぐさま総悟の言葉に否定の反応をしようと首を横に振り、口を開けようとしていた。

「いや、そんなんじゃ…」

 しかし彼女に否定されると困るのは俺。めんどうな見合いを断る為の大きな口実を失う事となる。それだけは何としても阻止しなければならない。俺は反射的に彼女の肩を持ち、自分の方へくっつけて肯定の意をとった。

「そうだ。俺の女だ」
「…ええ何言ってんのこの人」

 そんな言葉を付け足しながら俺がそう言うと、予想通り彼女は死んだ目で驚きを隠せていない様子。その反応を見て総悟はニヤニヤ、いや実際のところは黒い笑みを出しながら「ヘェ…」と言って彼女の方へ顔を向けていた。嫌な予感しかしない。
 総悟に本当の事がバレたら色々面倒だし、このまま恋人のフリを続けなきゃならなくなったのは決定事項である。


「つー理由(ワケ)だ。総悟、お前ちょっと席外せ」
「へいへい。それではAさん、ごゆっくり」
「あ…は、はい。ありがとう…ございます…」


 ぎこちなく返答をする彼女は軽く総悟に会釈をした。総悟は彼女に対して小さく手を振り返し、俺の部屋から早々に退出したのだった。

「…さて」

 ピシャリと閉じられた襖をボーッと見つめる彼女。俺はその姿を横目に吸っていた煙草を灰皿に押し潰した。どう説明するか、だな。

緊張→←存在



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いくま(プロフ) - ふぉい!さん» 選ばれたのは綾〇ですよ((ニコッ (2018年7月24日 8時) (レス) id: 8c955fc7fb (このIDを非表示/違反報告)
ふぉい! - 選ばれたのは綾鷹wwww (2018年7月2日 19時) (レス) id: 1633712eeb (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - マピトさん» コメントありがとうございます。一番だなんてとんでもないです。。。私もずっと土方さん推しなのでマピトさんの小説読んできます! (2018年4月5日 14時) (レス) id: 8c955fc7fb (このIDを非表示/違反報告)
マピト - 今まで見てきた小説の中でこの小説が一番良いなと思いました。 私も土方オチの小説を書いているので見習いたいと思います! (2018年4月5日 11時) (レス) id: 9353c4256d (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - ユラさん» コメントありがとうございます。瞬時に思って頂き光栄です、笑しかし文才が皆無なのでこらから無茶苦茶展開になると思いますが、これからもよろしくお願い致します。 (2018年4月4日 12時) (レス) id: 8c955fc7fb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いくま | 作者ホームページ:http  
作成日時:2018年4月2日 20時

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