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調子 ページ25




「…いらっしゃいませ」

 辿々しい口調で、もう一度私はそう言った。何故彼が此処に居る。いや、それ以上に何故居間このタイミングで現れる。狙ったのか、狙ったろこれ。

「オイオイ、お前ら恋人の関係の癖に何でそんなよそよそしいんだよ付き合いたての中坊ですかコノヤロー」
「うるさい黙れ帰れどっか行け腐れ天パ燃やすぞ」
「泣いていい?」

 ギロッと坂田を睨みつけた後、土方さんは「…持ち帰りで」と私に告げた。私は静かに返事をしてお盆を置きレジに向かった。彼の顔が見えない。何故か変に緊張してしまう。もう他人なのに。もう私は解放された身なのに。訳がわからない、考えるのをやめろ。

「団子五つ。包んでくれ」
「…はい」

 メモ書きをして柊さんに持ち帰り用の団子を言う。すると柊さんはニヤニヤした様子で私に「銀髪じゃなくて黒髪の方だったのね」と告げた。しまった、先程の会話をどうやら聞かれていたらしい。

「…まあ、そんな大層な物じゃないですよ」
「あらそうなの?服装的にあの人真選組のお方でしょう?十分大層な人じゃない」
「隊服知ってるんですか」
「前にあの人と同じ服を着た男性がいらしたのよ。警察の人だけど話しやすくて楽しかったから覚えているわ」

 柊さんが笑いながら私にそう言った。口は動かしている割にしっかり団子を包んでいる。"真選組"と言う言葉を聞いてまた私の胸はぐさりと深く刺さり込んだ。そうだ、彼は警察だ。元は私の敵の存在なのだ。忘れてはいけない。

 ─────忘れては、いけない。



「お持ち帰り用のお団子です」

 団子を五つ包んだ箱を土方さんに渡す。ちらっとあたりを見渡すとあの幼馴染である腐れ天パの姿が見えない。その視線を察知したのか土方さんは「万事屋ならさっき帰ったぞ」と言った。成程、あれアイツ会計してなくね刻んでいいかな。

「…此処で働いてたんだな」
「まあ自宅から近いですし時給もいいですし」
「結構穴場だとは思うんだが」
「ご近所さんがよく来店して下さるので意外と繁盛してますよ」
「…そうか」

 会話が終了し、私は目を逸らして小さな声で呟いた。

「…今回は、たまたまですよね」
「あァ。近藤さんに頼まれてな、でも今考えると仕組まれてたのかもしれねェなァ」

 土方さんはそう言いながら溜息をついていた。先ほどの柊さんとの会話を思い出す。あの話しやすい警察官の正体は大方近藤さんだろう。

「悪かったな。仕事の邪魔して」
「…あ、いや、…大丈夫」

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いくま(プロフ) - ふぉい!さん» 選ばれたのは綾〇ですよ((ニコッ (2018年7月24日 8時) (レス) id: 8c955fc7fb (このIDを非表示/違反報告)
ふぉい! - 選ばれたのは綾鷹wwww (2018年7月2日 19時) (レス) id: 1633712eeb (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - マピトさん» コメントありがとうございます。一番だなんてとんでもないです。。。私もずっと土方さん推しなのでマピトさんの小説読んできます! (2018年4月5日 14時) (レス) id: 8c955fc7fb (このIDを非表示/違反報告)
マピト - 今まで見てきた小説の中でこの小説が一番良いなと思いました。 私も土方オチの小説を書いているので見習いたいと思います! (2018年4月5日 11時) (レス) id: 9353c4256d (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - ユラさん» コメントありがとうございます。瞬時に思って頂き光栄です、笑しかし文才が皆無なのでこらから無茶苦茶展開になると思いますが、これからもよろしくお願い致します。 (2018年4月4日 12時) (レス) id: 8c955fc7fb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いくま | 作者ホームページ:http  
作成日時:2018年4月2日 20時

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