甘味屋 ページ24
．
「いらっしゃいませお帰り下さい」
「オイオイ、客に向かって言う台詞じゃねーだろ」
甘味屋 "柊"。自宅から一番近い店で団子が売りの小さな甘味屋だ。私はそこで長らく働かせてもらっている。割と時給も良いし甘味を作る事自体楽しいしかなりこの仕事に満足している。
が、しかし今日この日限りで退職したくなった。理由は簡単。目の前に現れた客が死ぬほど会いたくない野郎だったからだ。
「何で此処に居るんですか坂田さん」
「甘味といったらこの俺だろ。ってかこんな所に甘味屋なんてあったんだな。結構穴場じゃね？」
「だから気に入ってるんですよ。団子食べたら帰ってください」
「辛辣すぎやしないかい」
お盆を持ちながら淡々と辛口言葉を放って厨房へ帰る。幼馴染だろうが何だろうが知り合いに会いたくなかった。それに今坂田に会うとなぜか別の人物を思い出してしまうのだ。その別の人物とは言わずと知れたあの男。
「…土方、十四郎」
「ん？あの男の名前かい？」
「ん"っ、ち、違いますよ！」
いつの間にか店主のおばあちゃん、
「あら残念ねえ、Aちゃんのコレかと思ったんだけどねえ｣
「…違います、ただの幼馴染で」
柊さんは優しく笑いながら小指をたてらせていた。前にも見た事がある光景だ。そう、初めて真選組屯所に訪れた時。あの時の彼は、無愛想に私の髪の毛に触れて似合っていると言ってくれた。…何変な事思い出してんだ私は。
「…オイA。聞いてんのか？」
「店員にナンパはやめて下さい訴えますよ」
「いやただ話しかけただけなんですけど！？」
柊さんに休憩を渡された私はなぜかこの男の話し相手 に付き合わされている。そろそろ面倒臭く思った私は店員しか入れない居間にでも戻ろうかと思い席を立った。するとタイミングを見計らったかの様に坂田は「そういやさァ」と言葉を続けた。まだ何か用があるのかこの男は。暇なのか、暇なんだろ。
「大串…土方クンとは最近どうなの？」
「何もないよ」
その名を聞いた瞬間、背中をガツンと殴られた衝撃が走った。話を濁そうと思い何もないとだけ言った瞬間、私の前に一人の影が私を覆ったのだ。他の客が来たと思い、私は一刻も早く坂田から離れたかった為、「いらっしゃいませ」と言って来店客を見た。
その男。目の前に映る黒髪の男は、今一番私が会いたくなかった人だった。
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いくま(プロフ) - ふぉい！さん» 選ばれたのは綾〇ですよ((ﾆｺｯ (2018年7月24日 8時) (
レス) id: 8c955fc7fb (このIDを非表示/違反報告)
ふぉい！ - 選ばれたのは綾鷹wwww (2018年7月2日 19時) (レス) id: 1633712eeb (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - マピトさん» コメントありがとうございます。一番だなんてとんでもないです｡｡｡私もずっと土方さん推しなのでマピトさんの小説読んできます！ (2018年4月5日 14時) (レス) id: 8c955fc7fb (このIDを非表示/違反報告)
マピト - 今まで見てきた小説の中でこの小説が一番良いなと思いました。 私も土方オチの小説を書いているので見習いたいと思います！ (2018年4月5日 11時) (レス) id: 9353c4256d (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - ユラさん» コメントありがとうございます。瞬時に思って頂き光栄です、笑しかし文才が皆無なのでこらから無茶苦茶展開になると思いますが、これからもよろしくお願い致します。 (2018年4月4日 12時) (レス) id: 8c955fc7fb (このIDを非表示/違反報告)
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