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笑顔 ページ20




 あまりに一瞬の出来事すぎて思考は一度停止されてしまったがすぐに我に返り唇を押さえ込む。いや待て待てキスされるなんて聞いてないぞ。いや私も立派な成人女性だけども。
 けどもよ、大きな声で言えないが今まで一度もキスなんざした事ない人生を送ってきたんだよ。勘弁してほしい返せよ私のファーストチッス。

「ねぇ、橋本って言ったっけ、アンタ」
「あ、はい」
「本当にキスするとは思わなかったわ。…諦めてあげる」
「…あ、何かすみません」
「いいのよ。パパには適当に言っとくから。万事屋のアンタらも悪かったわね。金は払ったから許して」
「い、いや!謝るのは僕達の方で…。お金貰ったのに何も出来なくて、すみません…」

 そう言って帰る支度をしている鮴谷さん。志村君が慌てて彼女を呼び止める。何かキャラ変わってめちゃくちゃ良い人になっているが大丈夫だろうか。志村君の呼びと目を無視して彼女は「じゃあねー」と言いながら部屋を出たのだった。

「ほら銀さん!僕達も帰りますよ!」
「あ?あァ…、帰るか」

 先程から死んだ抜け殻の様に黙り込んでいて坂田の肩を揺らしながら話しかける志村君。何故アイツはあんなに黙り込んでいるのかよく分からなかった。

「銀ちゃん。マヨがAとキスしたからってそんなに落ち込むなヨ」
「はァァ!?ば、ばっかじゃねェの!?こんな奴ぜんっぜん?微塵も落ち込んでねェし!!」

 変に慌てた様子であからさまに否定して首を縦横にブンブンと振っていた。慌て方が尋常だろエ○本母ちゃんに見つかった中坊の反応じゃねぇかコノヤロー。

「…帰ろ」

 面倒事に絡まれない様にそそくさと帰る準備をして荷物をまとめて部屋を出る。その時ふと思い出し、部屋を出る前に一度私は坂田の方へ振り向いて静かに口を開いた。

「坂田」

 彼の名を呼ぶと坂田は私の顔を見て「…何」と呟く。

「私は平穏な日々を望んでいる。…昔も、今も」

 その言葉を放つと坂田は目を見開き「そうかよ」と頭をガシガシと掻きながら言ったのだ。私は彼に背中を見せて静かに扉を閉めた。とりあえず見合いは成功と言う所か。店を出てさっさと家に帰ろうと思った時、隣から居る筈のない声が聞こえてくる。

「随分遅かったなァ」
「…土方さん。帰ってなかったんですか」
「仮にも恋人残して帰るかよ。送る」

 土方さんが店の前に待っていたのだ。台詞もまあイケメンが言いそうな事をスラスラと言うもんだ。いや実際この人イケメンだったわ。

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いくま(プロフ) - ふぉい!さん» 選ばれたのは綾〇ですよ((ニコッ (2018年7月24日 8時) (レス) id: 8c955fc7fb (このIDを非表示/違反報告)
ふぉい! - 選ばれたのは綾鷹wwww (2018年7月2日 19時) (レス) id: 1633712eeb (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - マピトさん» コメントありがとうございます。一番だなんてとんでもないです。。。私もずっと土方さん推しなのでマピトさんの小説読んできます! (2018年4月5日 14時) (レス) id: 8c955fc7fb (このIDを非表示/違反報告)
マピト - 今まで見てきた小説の中でこの小説が一番良いなと思いました。 私も土方オチの小説を書いているので見習いたいと思います! (2018年4月5日 11時) (レス) id: 9353c4256d (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - ユラさん» コメントありがとうございます。瞬時に思って頂き光栄です、笑しかし文才が皆無なのでこらから無茶苦茶展開になると思いますが、これからもよろしくお願い致します。 (2018年4月4日 12時) (レス) id: 8c955fc7fb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いくま | 作者ホームページ:http  
作成日時:2018年4月2日 20時

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