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無意識 ページ19





「何で私と付き合ってくれないのよぉ!」

 ギャーギャー騒ぎながら俺の袖を引っ張り泣きじゃくる女の顔面を掴んで無理矢理離れさせようとするもゴリラ並の怪力によりびくともしなかった。顔も力もゴリラなのかこの女は。
 恋人がいると何度言っても聞く耳を持たない。日本語が通じないようだ。ゴリラ女の背中を必死し押さえつける眼鏡だがもうそろそろ限界に近い様子である。
こんな非常事態なのに俺の恋人(仮)である橋本Aは壁のそばで万事屋と楽しそうに喋ってやがる始末だ。気に入らない。
 特に理由なんてないがアイツと万事屋が親しげに話すその姿を視界に入れたくなかった。俺の知らないアイツを万事屋は全て見透かしている様で腹が立つからだ。

「だから恋人がいるっつってんだろ!少しは理解力を持てゴリラ女が!」
「誰がゴリラだこの野郎!!」
「ちょっ!ゴリ子さん!!」

 挙げ句の果てにはこのゴリラ女に逆ギレされ引っ張られていたのが袖だけじゃなく顔面にまで及びそうだったが何とか眼鏡が取り押さえてくれた。すると急にゴリラ女は無言になり、ピタッと暴れる事をやめた。何だ、やっと日本語が通じる脳みそになったのかと思った矢先彼女は小さな声でボソッと何かを呟いた。

「…分かったわ」
「あァ?」
「あの子と付き合ってるんでしょう?だったら私の目の前でキスしなさいよ。そしたら諦めてあげるわ」
「はァ!?ンな人前でできる訳ねェだろうが!」
「だったら私と付き合いなさいよ!!」
「どんだけ自己中なんだよ!つか口調変わってね!?」

 ゴリラ女に()かされてチラリと万事屋と楽しそうに話せいる橋本Aを見た。簡単な事じゃないか。
 三十路手前になってキスのひとつやふたつ、別に今更恥ずかしがる事なんて何もない。しかも一度きりのキスでこのゴリラ女は諦めてくれると言っている。こんな上手い話はないだろう。

「…ッ」

 なのに何故俺は躊躇している。さっさと彼女に事情を話してすれば良いだろう。いや事情を話した所でアイツはもしかしたら拒否するかもしれない。そりゃそうだ、何たって俺と彼女の関係は嘘だから。彼女の事を考えると出来ない。それに俺だって本当の恋人でもねェ女としたくない。なのに。

「今…キ、キス」
「…何でしちまったんだ、俺ァ」

 口元を抑えて小刻みに震える彼女を見ながら、そっと俺は呟いた。するつもりはなかった。これは事実だ。しかし他の野郎と喋るお前が何故か気に食わなかったんだ。

笑顔→←機嫌



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いくま(プロフ) - ふぉい!さん» 選ばれたのは綾〇ですよ((ニコッ (2018年7月24日 8時) (レス) id: 8c955fc7fb (このIDを非表示/違反報告)
ふぉい! - 選ばれたのは綾鷹wwww (2018年7月2日 19時) (レス) id: 1633712eeb (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - マピトさん» コメントありがとうございます。一番だなんてとんでもないです。。。私もずっと土方さん推しなのでマピトさんの小説読んできます! (2018年4月5日 14時) (レス) id: 8c955fc7fb (このIDを非表示/違反報告)
マピト - 今まで見てきた小説の中でこの小説が一番良いなと思いました。 私も土方オチの小説を書いているので見習いたいと思います! (2018年4月5日 11時) (レス) id: 9353c4256d (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - ユラさん» コメントありがとうございます。瞬時に思って頂き光栄です、笑しかし文才が皆無なのでこらから無茶苦茶展開になると思いますが、これからもよろしくお願い致します。 (2018年4月4日 12時) (レス) id: 8c955fc7fb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いくま | 作者ホームページ:http  
作成日時:2018年4月2日 20時

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