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着物 ページ11




 新しい着物を買う事になって家を出たのが一時間前。ほんの数十分で着く着物屋さんに到着し、適当な着物を選んでいたのだがどうも難しい。色や柄の種類が豊富過ぎて自分に似合う物が分からない。
 それに手持ちの着物は紺色やら黒色やら深緑やら地味な色ばかりだから派手な色を買おうとあんなに意気込んでいたにもかかわらずいざ明るい色を買おうとすると躊躇ってしまった。歳かな。
 そもそももうすぐ25を迎える女が桃色とか着て大丈夫なのか。一応合法なのか。桃色なんてガラじゃないのだが。そうこう悩んでいる内にあっという間に時は進み、既に一時間が経過していた所である。もう帰りたい。

「あり、Aさんじゃないですかィ」
「沖田君?」

 急に背後から話しかけられ驚きを隠せないまま振り向いた。女性モノの着物が売っている店にとても似つかわしくない真っ黒い格好で彼はそこに立っていた。

「何してるんですかィ、こんな所で」
「……着物選んでるんですよ。沖田君こそ何してるんですか?」
「ちょっとサボ…見回りの途中でしてねェ」
「今サボりって言おうとしてましたよね」

 彼は「そんなことないでさァ」と言いながら私の手に持っていた桃色の着物を手に取った。

「これにするんですかィ?」
「あ、いや…桃色はちょっとガラじゃないなって」

 そう返答すると彼は「成程ねェ」と言いながら私の手に持っていた桃色の着物を奪って他の着物を探し始めた。すると彼は桃色の着物を元の場所に戻し、代わりに黄色の着物を持ってきた。

「これなんかAさんに似合うと思いやすがねェ」

 はいと渡されて思わず受け取ったがこの色もなかなかの派手なもの。こんな可愛い柄が私に似合うのか。それに黄色が似合うなんて初めて言われたぞ。

「うーん…本当に似合いますかね」
「似合いやすよ」

 キッパリと断言する彼。その自信はどこから湧いてくるんだよ流石だな。沖田君から渡された可愛らしい黄色の着物を手に持ちジト目で彼の方を見る。が、当の本人はお構いなしで私の身体に着物を合わせ出した。なに勝手に触ってんだよやっぱりアレか、土方十四郎といい沖田君といい顔が良ければ何しても許されると思ってんのかその通りだよこのヤロー。沖田君は真剣な目付きで口を開く。

「うん、やっぱり似合ってますぜィ」
「ほ、本当に?」

 あまりにも真剣な表情(カオ)で言うもんだから流れに身を任せて即購入してしまった私はやはり単純なんだろう。解せぬ。

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いくま(プロフ) - ふぉい!さん» 選ばれたのは綾〇ですよ((ニコッ (2018年7月24日 8時) (レス) id: 8c955fc7fb (このIDを非表示/違反報告)
ふぉい! - 選ばれたのは綾鷹wwww (2018年7月2日 19時) (レス) id: 1633712eeb (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - マピトさん» コメントありがとうございます。一番だなんてとんでもないです。。。私もずっと土方さん推しなのでマピトさんの小説読んできます! (2018年4月5日 14時) (レス) id: 8c955fc7fb (このIDを非表示/違反報告)
マピト - 今まで見てきた小説の中でこの小説が一番良いなと思いました。 私も土方オチの小説を書いているので見習いたいと思います! (2018年4月5日 11時) (レス) id: 9353c4256d (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - ユラさん» コメントありがとうございます。瞬時に思って頂き光栄です、笑しかし文才が皆無なのでこらから無茶苦茶展開になると思いますが、これからもよろしくお願い致します。 (2018年4月4日 12時) (レス) id: 8c955fc7fb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いくま | 作者ホームページ:http  
作成日時:2018年4月2日 20時

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