親 し き 仲 に も 礼 義 あ り 5

206 ボランティア先 ページ6

翌朝…先生がウチらを車で迎えに来て今は移動中。







こっちに来てから出掛けたりするのは初めて…





不安半分
楽しみ半分





…正直言うと…
こんなにワクワクするのは久しぶりで少し戸惑った






その時にウチの手が優しく握られた。






『…勇人……』




勇人「…俺達が一緒なら何も怖くないんだろ？笑」




少し馬鹿にしたように笑いながらいってるけど


…ウチを安心させようとしてくれてるんだよね。





『…怖くないよ。

ちょっと楽しみ過ぎただけ笑』






ゆかり「Aちゃんも楽しみ？
ゆかりもすっごく楽しみだよっ！

たくさんお友達できるかな〜？」



ゆかりちゃんがウチの反対の手を握りながらそう言ってて…すごく可愛かった笑




まさみ「私も楽しみよ〜！笑
Aちゃんばっかりこんな思いするなんてズルいんだから！笑」




助手席に座ってたまさみさんがこっちを振り向くように見て、笑顔でそう言ってた。




…みんなの笑顔がすごく心を温かくしてくれる。





勇人「…な？笑
俺達が一緒にいるなら何も怖くない…だろ？笑」




みんなの言葉…

みんなの笑顔…





それだけでこんなに幸せだと感じられる。








『…うん！笑
今日は超楽しもうね！笑』






みんなの笑顔に


自分が今できる最高の笑顔で答えた。






________________



車で揺られる事数十分…



医者「はいとうちゃーく！
みんながボランティアする場所はここよ！笑」




『…ここ……病院じゃないの…？』





でかでかと書かれたhospitalって単語。






しかも…多分精神科…だと思う。


…Psychiatry





今4人で住んでる家の看板にもこの単語が書いてあった。



だから多分ここも…そうなんだと思う。





勇人「…ここで…何話せばいいってんだよ…」





まさみ「…まさかここに移動する…とか？」




医者「そんなわけないじゃなーい！笑

…ここに居るのは貴方達と同じうつ病の人。
でも違う所があるの…何だと思う？」





『…違うところ…？』





でもここは全然閉鎖されてないみたい…




なんか……外にいる人だって皆笑顔だし…



外人はうつ病でもこんなに笑うのかな？






『…どう見てもうつ病になんて見えないよ』





医者「そう、そこなの。
貴方達は自分がうつ病だと自覚してる。

…だけどここに居る人はそれができない人。
正しく言えば…まだ病にかかる前…て感じかな？」









じゃあ…何で病院に…？

207 皆の笑顔→←205 赤葦side

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す