親 し き 仲 に も 礼 義 あ り 5

240 2年間で変わった周り ページ40

あれから2年後…
ウチはもうすぐ２０歳になる。







『ノア〜！ゆかりちゃーん！学校行くから早くおいで〜！』





ゆかり「ちょっと待って〜！
ノア早くー！お姉ちゃんに置いてかれちゃうよ！」




ノア「待ってよ〜！」



まさみ「ノア君お弁当忘れちゃダメよ！」




ノア「あ！ごめんなさい！」




毎日の忙しない日常。
2年が経った今、ノアは皆を家族だと思って接してくれている。




『ほら勇人も起きて！
そろそろ出ないと間に合わないってば！』





勇人「…今起きる〜……」





もー……


いっつも起きるっつってから起きないじゃん。







勇人は2年が経ってもあんま変わらない。


もちろん良い意味でだけどね？笑









勇人「…A起こして〜」





そう言いながら勇人はウチに手を伸ばす




起こそうと思って手をつかもうとしたのに

服の袖を引っ張られて体勢を崩された。



『ちょっと！！』




勇人が寝てたベッドに倒れ込んだ。
満足そうに笑ってウチを見てる勇人を怒ったように見つめた。


勇人「…何か…A痩せたんじゃね？」






そう言いながらウチの腰に手を置く勇人。




『…てかどこ触ってんの。
良いから早く起きて』




勇人の手を叩き落として
ベッドから出る。





勇人「ってぇ〜……
はいはい今起きますよ〜」




降参するように手をヒラヒラさせておどけてみせてる。




2年で勇人もウチもうつ病を克服した。

もちろんまさみさんもゆかりちゃんも。



ノアだけは偶に不安で泣く事もあるけど
今はゆかりちゃんがお姉ちゃんとしてノアの側に付いててくれてる。




それに今は薬なんて飲まなくてもグッスリ眠れるし、

人の目も恐怖と感じることは無くなった。







治らなかった事があるとすれば、

ただ一つだけ。








耳が聞こえないままだって事。









でもそれだってもう何でもないし、
テレビだって何だって、人の雰囲気だけでどんな事を思ってるのかよく分かるようになった。






だから別に問題ない。








それに今はそんな事考える暇もないくらい本当に忙しい。






ウチは19歳になってすぐ、心理カウンセラーの資格を取った。





それで今は

HOUSE OF PEACE


って相談室を街中に設けてる。






受付は勇人とまさみさんがやってくれて、


相談をウチが聞くって感じ。









…だからあの夢の出来事なんて忘れてた。

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