親 し き 仲 に も 礼 義 あ り 5

235 初めましてよろしくどうぞ ページ35

『気に入ってくれたみたいで良かった！笑
今日からよろしくね、ノア！』





ノア「うん？………今日から…？」




あ、言ってなかった…


一緒に住むって事。




『あのね、今日からノアはウチと…じゃなくて…

ウチの家族になるの！』




ノア「…か、ぞく…？」



ポカーンとした顔でウチをしたから見つめるノアの大きな丸い目。



『そう！家族！！これからは毎日一緒！』




ノア「…家族！！僕とお姉ちゃんがいつも一緒に居られるの！？」




『もちろん！いつも一緒だよ！』





そう言ったらノアはウチの腰に腕を回してキツく抱きついてきた。




…よっぽど嬉しいんだろうな…


ノアの目には薄っすら涙が浮かんでる。






『ふふっ笑
じゃあ早速お家に帰ろうか！』




ノア「うんっ！」






ノアは大きく頷いてから

しっかりとウチの手を握った。








…これからはウチがノアの親だ。





絶対に幸せにしてあげたいし、
ちゃんとした愛情を与えてくれるパパとママを見つけてあげたい。





だからそれまではウチが出来る限りの愛情でノアの心を満たしてあげるんだ。






きっと….皆が一緒なら、
自然と幸せになれると思う。






1人でそんな事を心に誓いながら、重く閉ざされた閉鎖病棟の扉を開く。






ノアが握る手の力が強くなる。




医者「あら…出てきたのね？笑」





扉の先には先生が待っていて、ノアとウチを交互に見た。




医者「…改めて、ノア君初めまして！
これからどうぞよろしくね！笑」




ノアはウチの背後に回って怯えたように先生を見てる



『ノア、挨拶はちゃんとしなきゃダメだよ？』





ノア「………よろしく…お願いします…」





医者「……うんっ！よろしくっ！笑

じゃあ早速帰りましょうか！皆ノア君の事を待ってる事だろうから 笑」




『そうだね！』




ピッタリとウチの側を離れないノアの手を引いて先生の車まで歩いた。





ノア「…お姉ちゃん……やっぱり僕怖い」





急に立ち止まってそう言うノア。





そりゃそうだと思う。

今まで人の視線に人一倍敏感だった子供が
突然人前を歩くなんて気が気でないだろう。




『ノア、抱っこしてあげるからおいで？』





そう言いながらノアを抱き上げた。





軽くて…小さくて…

自然とノアを抱く腕に力が入る。





もちろん苦しくない程度に。









でも…問題はこれからだよね。









皆と会ったらどうなっちゃうのかな

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