親 し き 仲 に も 礼 義 あ り 5

223 勇人side ページ23

嫉妬…してるんだ…。




赤葦に。







俺の事を友達だって言ってくれた唯一の人に…







最低だ。





もう俺はどうしようもなくなってしまった。




どんだけ今から頑張ったって、





赤葦みたいにAから想ってもらえるようになんてならないんだ。




赤葦くらいAを想ってやれる事なんか無いんだ。





…そしたらどうすればいい？







そう考えた時頭に浮かんだ答えは一つ。






《Aが変わらなければいい》






…それだけだった。







あぁ…それなら簡単じゃん。






Aは優しいから、絶対自分だけここを離れるなんて事しないよね。





Aがどれだけ変わろうと努力しても
俺達が変われなかったら諦めてくれるかもしれない







そしたらさ、また4人で幸せになれるよね。





Aは赤葦の事なんか忘れてさ、
いつもあの笑顔で笑って俺らと一緒に居てくれるようになるよね。






じゃあ先ずはこの2人の気持ちを確かめないと…






目の前に座って俺を見てる2人に話した。






勇人「…2人は本当に変わりたいって思う？」





まさみ「もちろんそう思うわ？
Aちゃんだってあんなに頑張ってるんだもの

私達だって負けたくないじゃない？笑」



勇人「…ゆかりは？」




ゆかり「ゆかりも変わりたい！
それでね、学校に通うの！笑」




勇人「ふーん……そっか」




まさみ「…？……勇人君は…変わりたくないの？」





きた。

その質問を待ってたんだ。




勇人「俺は別に無理に変わらなくてもいいかなって思ってます。

だって無理に変わったところでいつかは限界が来るかもしれないじゃないですか」




そう言ったら2人の顔から笑顔が消えた。


そしてどんどん不安になってくみたいに表情が変わってく。




…ほらな？


…俺達が変わるなんて無理なんだよ。





だって…俺がちょっと燻っただけでこんな不安になっただろ？




まさみ「…で、でも…Aちゃんだってああ言ってくれたじゃない？…一緒に変わろう…って！」




…ゆかりは完全に堕ちたな。




もう黙ったまま下を向いてる。


でもそれで良いんだよ？
それが俺達の歩むべき本当の道なんだから。





勇人「…でもそれはAが居なくなったら無理ですよね？」


まさみ「……何…言ってるの…？」


ゆかり「お姉ちゃん居なくなっちゃうの！？
やだ！！ゆかりそんなの嫌だっ！！」









だってさ…A。









これでもまだ変わりたいと思う？

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