親 し き 仲 に も 礼 義 あ り 5

216 約束したから ページ16

翌朝、約束通り先生は迎えに来てくれて
ウチは今準備中。




昨日何話すか考えてたらいつの間にか寝ちゃってた






…でもその前に思った事…



名無しのボーイ…そんなダッサイ名前嫌だよね。





あの子の名前….考えてあげよ笑



1人でニヤニヤしてたら、後ろにいた勇人に肩を叩かれた。





勇人「1人で何笑ってんだよ〜笑

…てかさ…昨日本当はどこに居たの？」




『……ごめんよく分かんなかった。
今なんて言った？』




勇人「……なんでもない！笑
Aは今日も病院行くの？」





『……そう？

ウチは今日も行くよ〜！昨日は全然話せなかったしね！笑』




…勇人がウチに言った言葉…分かってる。




でもまだ言えない。

本当にごめんね？





医者「Aちゃーん！今日は行くのAちゃんだけみたいだから早くおいで〜！」





『…じゃ、そろそろ行くわ！
勇人は今日ゆっくり休みなね！笑』




勇人「……おう…」





車に乗り込んで、外まで見送りに来てくれた皆の顔をみる。




ゆかりちゃんとまさみさんは笑顔で手を振ってくれてるのに



勇人は寂しそうな目でウチを見てた。






…そんな顔しないでよ。


ちゃんと帰ってくるからさ…
笑顔でウチを迎えて？





そう意味を込めて勇人にも笑顔で手を振った。






________




そして病院に着く。



着いてすぐに昨日と同じあの病棟に向かった。





医者「…はい、じゃあここからはAちゃんの時間。また終わる頃に呼びに来るからそれまでよろしくね？」





『うん。……先生はどっか行くの？
珍しくスーツなんか着てるし…』



医者「…昨日約束したのもう忘れちゃったの？笑

…上の人と話しに行くのよ。あの子の事をね」




……先生…

ちゃんと考えててくれたんだ。



『…覚えてるよ！…先生もよろしくね？笑』


医者「任せなさいって！笑」




そう言い残して先生は出て行った。





1人でどんどん奥に入ってって、昨日と同じ部屋まで行く。




少年「あ！おねえちゃんきてくれた！」




『遅くなってごめんね〜！約束したもん絶対来るって！ね？言ったでしょ？笑』



少年「うんっ！」




男の子としばらくお話しして…


『ねぇねぇ、自分の名前なんて言うか分かる？』




少年「…なまえ？」




やっぱ…分かんないんだ。




『ウチが君の名前考えてもいーい？』





そう考えて…




その時どうしてあの名前が自分の口から出たのか






今考えてもよく分かんなかった。

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