私が私を失うまで 3

122 ページ22

男子は男子で希ちゃんと遊んでいて、

私達女子は離れていた間の話をした。

やっぱり皆心配していたらしく、ずっと私の情報を調べたりしてくれてたらしい。

『皆には本当に、伝えてなかったこと謝りたいって思ってたの…』

私の言葉に、希ちゃんと遊んでいた4人も、静かに私の話を聞いていた。

『私、あの時最初は、皆に心配かけない為に伝えないようにしてた。でも、あっちで生活するうちに、皆の事考えないようになって、しまいには関係無いって思うようになった。』

皆の顔が見れない…
でも、まだ話は終わってないからそのまま続ける。

『…それで、気付いた時には人を好きになるとか、信頼するって事しなくなってた。そんな私の側にいてくれたのが、この前交通事故に遭った翔とりのちゃんって言う子…そして、希ちゃんの本当のパパとママ。』

雪絵「…え？希ちゃんAの子供じゃないの…？」
かおり「まさか…翔って人浮気…！？」

『違う。私の娘って言うのは嘘…。2人は元々恋人同士で、私と翔の政略結婚が決まったから別れなくちゃいけなくなっただけ。』

木葉「そんなの…辛すぎるだろ…」
猿杙「やっぱ政略結婚とかで幸せになる人って少ないんだな…」

皆の言う事はもっともだ。

『…だから私、2人に別れないで付き合い続けて欲しいって頼んだの。私と翔は2年間だけ婚約者として付き合って、契約が終わったら、仕事を一緒に頑張るパートナーになるって事で。』

雪絵「A…」

小見「…優し過ぎるんだよお前は…」

『優しくない。只の自己満足。きっとそう思って2人の幸せの為に…なんて考えてたんだよ。2人は本当に優しい人で、最初はそんな事できないって断られた。でも…それでも私は、私のせいで2人の仲を割くのが嫌で、譲らなかったの。…結果、希ちゃんが産まれてきてくれた…』

かおり「そうゆう事だったんだ…」

『今は2人が事故に遭って、いつ目覚めるか分からない状態だから、私が希ちゃんの親として育ててるの…だから…だからね…』

目がじんじん熱くなる。
でもちゃんと言え。

『……嘘ばっかり付いてっ、たくさん心配かけてっ、ごめんなさいっ…！…それと…こんな私の事をずっと待っててくれて…ありがとうっ』

123→←121

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す