60 借りれないモノ ページ10
放送［まもなく障害物競走三年の部が始まります！出場する生徒は速やかにグラウンド中央に集合してくださーい！］
グラウンドに響くアナウンス。
その声にぞろぞろと移動し始めた三年生達。
葵「A頑張ってね〜！
でも絶対無理しないでっ！笑」
凛「動画撮っててやっからな〜！笑」
『…ありがと〜！笑』
応援してくれた葵と凛にそう返事をして
担当の先生に誘導されるがままスタート位置につく
片膝をついて両手の指先を地面につける。
『…絶対一位になってやるぞー…』
スタートの合図と同時に踏み出す一歩。
女の子だけしかいない私の走る場所。
男子のいないコースですぐさま先頭を駆け抜けた。
放送「1位は6組です！最初の障害であるハードルも次々にクリアしていきます！」
5個しかない低いハードルなんてお手の物。
グラウンドを一周する間に何度も見える
応援席の生徒達。
凛と葵の姿はもちろん1番最初に見つけて…
見たくないものまで見てしまったりした。
2人並んで楽しそうに話す…
赤葦君と美織ちゃん。
【早く目を逸らしなよ】
心の黒い部分にそう言われても
中々目を離すことができない自分。
チラチラそんな2人を見ながらも
最後の障害まで辿り着く。
(好きな人のクジは引きませんように)
ずっと先頭を走り続けてたから後ろの生徒達とはまだ随分差がある。
放送「ここで1番に借り物のクジを引くのは、3年6組一条Aさん！！」
いらない放送しないでほしい。
こんな時に見られたってただ緊張するだけ。
だから…今は私を見ないで
赤葦君。
貴方が私を見たりしたら…
隣のあの子が気付いちゃうよ。
放送「あ！彼女が引いたクジはなんと…！
【好きな人】です！これは公開告白となるのでしょうか！？」
その文字が書かれたカードを手に持ったまま何もできない私。
【好きな人】
例え借り物競走だとしても借りちゃいけないモノ。
『…ど…しよ…う』
口に出した情けない声。
その声に被さるように口を挟むもう一つの心
【何悩んでんの？早く彼の所に行きなよ】
…行けたらとっくに行ってるよ。
こんな所で時間無駄にしたりしない。
でも行けないからこうやってんの
だって赤葦君の隣には…
私の動きに眼を光らせるあの子がいるんだから
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らん(プロフ) - 紗綾さん» 紗綾さん！まだ読み続けていただけてるだけでも嬉しいのに…本当ありがとうございます！（；＿；）紗綾さんの為にも出来る範囲でガンガン更新させてもらいます！(≧∀≦) (2018年7月2日 10時) (
レス) id: 733e0e4959 (このIDを非表示/違反報告)
らん(プロフ) - 茉優さん» 大変長らくお待たせしてしまってすいません(T ^ T)ですがやっと小説書けるような環境が整いましたので、仕事の隙を見て書き溜めていた分ガンガン更新しますね！！(^ ^) (2018年7月2日 10時) (レス) id: 733e0e4959 (このIDを非表示/違反報告)
紗綾(プロフ) - らんさんの小説がウラツクの中で1番好きです！！いつも応援しています！体調に気を付けて頑張ってください！ (2018年7月2日 7時) (レス) id: d1babcc912 (このIDを非表示/違反報告)
茉優(プロフ) - お久しぶりです！！！また、らんさんの小説読めて本当に嬉しいです！！！ (2018年7月2日 6時) (レス) id: 0df41439fc (このIDを非表示/違反報告)
chika(プロフ) - めっちゃいいですね！更新楽しみにしてます！！！ (2018年2月12日 7時) (レス) id: f969a44ae3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らん | 作成日時：2017年9月22日 8時
