貴 方 の 隣 は 私 じゃ な い pt.3

99 報われる時間 ページ49

『えっと、ちょっと待って？』



頭が痺れるほど私を埋め尽くす感情を一旦落ち着かせ…彼が言おうとしてる言葉に耳を傾ける。




赤葦「……俺が好きなのはA先輩……です」




私の背中に回っていた手に力が入るのが分かる。




でも…美織ちゃんが好きなわけじゃ無いってだけじゃなく……




私の事が好き……？



『…嘘じゃない…よね？』




聞き間違い…じゃないのは分かるのに…



どうも頭の中での処理が追いつかない。



赤葦「はい。俺が好きなのはA先輩です」




体を離して私の目を見ながらそう言う彼に
自然と目が熱くなった。




赤葦「えっ…！」



私の目が潤み始めると

その様子に驚いた赤葦くんが戸惑っているのが分かった。



ゆらゆら赤葦くんがボヤけて…

でもそれがなんだか幸せで…







気が付いたらこう言っていた。





『…私も…赤葦くんが好きです…っ』





そう言ってすぐ…




心が埋め尽くされるほど真っ黒だったものが





一瞬で白くなった気がした。







さっきまで私を覆い尽くしていた醜い感情。



それがふわふわと溶けていく感覚。





それが…なんとも言えなくて…






今まで学校で起きた出来事なんてどうでも良く感じるほどだった。









これでやっと報われるんだ…








そう思ってたのに、まさかこの気持ちにまで…








時間制限なんてものがあるとは知らなかった。

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