貴 方 の 隣 は 私 じゃ な い pt.3

92 今回だけだからね ページ42

美織「あっ！！それと……昨日の事なんですけど」



『…告白の事……だよね？』




聞きたくないと思っても

やはり気になってしまうのが私の馬鹿なところ。




美織「…はい……私昨日、Aさんに自分の気持ちだけ勝手にぶつけて…本当にすいませんでした」



本当にAさんに申し訳ないと思ってます

そう言いながら頭を下げる彼女に…




どう声をかけるべきか正直戸惑った。



『いや…うん………私は別に大丈夫だよ』



考え抜いた結果出たのが、こんな情け無い言葉。



先輩もライバルもへったくれもない。


本当…強がるのも良いとこだ。




美織「…あの後…Aさんが来てから私…

なんて事したんだろうって思いました」



下を向いたままそう話す美織ちゃんは

私より小さいのに、更にいつもより小さく見えた。




『だ、だから別に私は…』


大丈夫だよ



そう言おうとした瞬間、彼女が勢いよく顔を上げるもんだから驚いて何も言えなかった。



美織「でもっ！！！

私、自分で言ったくせにそれを守らないなんて嫌なんですっ！！！」



いつもキラキラと少し潤んでいる大きな瞳に

今日は本当の涙が溢れそうなほど溜まっている。




まるで…





自分の中の何かと葛藤してるような瞳。



その瞳から目を反らせずにいると、
彼女は意味深な事を呟いた。




美織「…私もどうしたら良いか分かりません…っ」




何が？


なんて…聞かなくても分かる気がした。






美織ちゃんは良い子だ。


だけど今目の前にいるこの私のせいで…







今の彼女に必要無い感情が溢れ出そうとしてる。





それがどれだけ自分を苦しめて…

悩ませて…

陥れていくのか…




私にはよく分かる。




だからこそ…私がなんとかしなきゃいけない気がした




『…美織ちゃんは美織ちゃんじゃない？』


美織「…っ？」



涙をこぼさないようにしているのか、少し震えている彼女に、流すように話しを伝える



『だってさ、どうするもこうするも人に言われて決めるものじゃないじゃん。

結局決めるのは自分でしょ？
だから貴女は貴女のままでいいんじゃない？』




私はそう思うな〜？


そう言いながら彼女の頭をそっと撫でて、
今にも飛び出して来そうな凛と葵の元に歩き出す。




美織「…」






ライバルだなんだ言っといて…







助けようなんて私本当偽善者だな〜








でも助けるのは今回だけだから…






あとは自分で頑張るしかないんだよ。

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