7人の極道。…弐

◆千賀 ページ9

組長の部屋に入ると、

組長は、とある資料を見せてきた。



それは……7年前の“あの事件”の報告書。



何で……今頃……？




「木須組がまた動き始めている。」



木須組・・・・・が？




「……そんな馬鹿な。

木須組は7年前、俺らが潰したはず…っ…」


ニカが声を震わせる。




そう……

7年前、玉森組は木須組から総攻撃を受けた。

もちろん、玉森組を潰すために。

そして……組長を殺害するために。




その抗争に……

巻き込まれてしまったのが・・・・・





『……木須組が、
また攻撃を仕掛けてくる。ってことですか？』



俺の言葉に組長は頷く。



「高嗣は宏光と警戒を強めてもらいたい。

宏光を最前線に置く。

その代わりに裕太を健永に頼みたい。」





俺が……若頭を……。


お守り……できるのか？




「分かりました！！！」



大きく頷いたニカとは反対に、

俺は弱々しく頷いた。



そんな不安そうな表情をした俺の肩を

組長はポンッと叩く。




「大丈夫だ。

この数年でお前は格闘も強くなった。

宏光と高嗣には及ばないが
他の組の若中らに比べれば充分だ。

何より裕太はお前になついてる。

宏光が最前線を仕切る今、
裕太を頼めるのはお前しかいないんだ。

……頼まれてくれるか？」




組長の温かい言葉に。

ニカの微笑みに。



俺は、意を決して頷いた。

●藤ヶ谷→←◆二階堂

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す