7人の極道。

◆二階堂 ページ28

俺の言葉に千賀は俯く。



“センは優しすぎる。”


ミツさんの言葉を思い出す。



この世界に入ったら……優しさは無用だ。




『……この世界に入った時点で

ある程度の覚悟はしてなきゃ、
お前は若中止まりだぞ？

俺は、もっと上に行くためにも
組長やミツさんの命令には従う。

宮田って奴を消す覚悟もできてる。』




俺は、この世界で上へ、上へと
のしあがるためにこの玉森組に入ったんだ……。



宮田を消すことができたら

俺は間違いなく昇格だ・・・！





「……じゃあ、若頭は？」



『……えっ…？』



「若頭は……どうなるの？

こんなに笑顔で笑ってる若頭……
凄く久しぶりに見たんだ。

宮田くんがいなくなったら。
もう……若頭は笑ってくれなくなる。

姐さんを失った時みたいに……

また、若頭から…大切な人を奪うの……？」






！！！！！








千賀は写真を見つめながら呟く。


俺は……そんなこと、考えもしなかった。


千賀は……

優しいだけじゃなく、

人の心にも寄り添える。




若頭が何で千賀になつくのか。


喧嘩もそこまで強くない千賀を

組長やミツさんが、何故“若中”の地位に
千賀を置いているのか……





この時、初めて分かった気がした。

●宮田→←◆千賀

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