7人の極道。

●宮田 ページ44

若頭が写真を見つめて微笑む。




……若頭も、こんな優しい表情…するんだ。




「玉森組の倅に今の想いを伝えてこい。

お前らは相思相愛だろ。」





相思相愛……

たまも？俺のこと…好き？




『……どうだろう。自信ないです…。

たまみたいな素敵な人が…俺なんか…。』




俺みたいな……喧嘩もろくにできない男を。




俯いてる俺に若頭はタバコを差し出す。





「自信もちな。

玉森組の倅は集会にも顔を出さないし、
人と関わることを拒んでるような男だ。

そんな奴がお前とは毎週逢瀬を重ねている。

お前に対して
特別な感情を持ってるのは明確だ。

お前らがくっつかないことには
俺の片恋も実らねぇよ。」





若頭のタバコを口につけると、

独特な甘い香りが口内を支配した。






「“玉森組のかぐや姫”を
狭い檻から出してやれ。

アイツもそれを望んでる。」







若頭に檄を飛ばされ、

俺は、たまとの待ち合わせ場所に向かった。

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