7人の極道。

◆千賀 ページ37

翌日、


俺とニカ、そして若頭は私服姿で家を出た。


久しぶりの舎弟達もいない中での
外出に……若頭は嬉しそう。



“箱入り息子”



若頭が以前、漏らした言葉を思い出す。

確かに……

他の組の連中から若頭はこう、呼ばれている。




【玉森組のかぐや姫】



勿論、皮肉を交えてだ。





若頭は、藤ヶ谷組の若頭とは違い

滅多に集会にも顔を出さない。


藤ヶ谷組の若頭は組を継ぐ気満々だから
周りに顔を広めておきたいらしく、
集会には毎回出ているらしいが……



うちの若頭は
そもそも組を継ぐ気がないからなあ。笑



大好きな服をたくさん買い込んで
ご機嫌な若頭。




「ねぇ！銀座の方にも行かない？

まだ時間あるよね？」





若頭に聞かれて時計を見る。

時刻はもうすぐお昼の12時。

ニカと目が合う。



「若頭。

ついてきて欲しいところがありまして。
先にそちらに行ってもいいですか？」



ニカが若頭の買い物袋を車内につめた。



「えーっ！p(｀ε´q)

久しぶりの銀座、行きたかったなあ〜」




ブーブー不満を言いながらも、
若頭は車に乗り込んだ。




後部座席のドアを閉めた俺に、

ニカが呟いた。









「……そろそろ時間だ。」

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