37話 ページ38
Noside
奏和は宵越を止めようとするが高谷はそれを手で制する。彼の視線はそちら側にも向いていたからだ。
「(俺にできる事……やってきた事……全てを……)カバディ……」
「「(来た!!)」」
ロールキックすると思われた宵越の足は真っ直ぐ高谷に向かって伸ばされる。そして踵が彼の爪先に当たった。
「(オレ狙い……!!!)」
＿＿＿かつて＿宵越は”キャント”をフェイントに使った。そして今回は……
『目線のフェイク……』
「チッ………」
「カバディ!!(躱した！帰れる＿＿………)」
高谷が伸ばした手を躱し自陣へ戻れると思ったが、その伸ばされた手は
「六弦さんトドメ!!」
「任せろ!!」
「(いつも”最善”を尽くしてきた……!!でも俺は何度も負けた……だから、俺は!!)」
宵越は上へ飛んだ。
それはかつて1年対2年で練習していた時に水澄がやった方法だった
「(俺の”最善”を超えていく!!)」
全員宵越を止めに行くと思われたが六弦はその場に留まった。
あと少し宵越が自陣へ戻れるときに横から高谷が追いついてきた。そのまま身体を掴み場外へ浮いた
「カバディ……」
『キャント、続いてる…！』
「(何度も沈めたはずだ……何度も力の差を見せつけて……今だって普通なら諦めてるはずだ……なのに、なんだよ……
この熱さは!!!)」
「カバディ……!!」
「(諦めろ!!もうコートの外だ!!…………コートの？)」
高谷がそれに気づいた瞬間時は既に遅かった。
伸ばされた宵越の手、正確には人差し指は自陣へタッチされた
「………よう。初心者なりに学ばせてもらったぜ。」
「……」
「………高谷はキッチリ追い出した。勝つぞ先輩！」
「「 ああ。 」」
宵越は攻撃成功となりタッチ2点獲得となる。
点差は2点差に縮まった
「学ぶ……ね…」
獣のような目をする高谷は場外へと向かう
その姿に会場にいたギャラリーは思わず言葉を失う。
残り時間52秒。
ターンで言えば奏和の攻撃１回、能京の攻撃１回で終わる時間。
この試合、もう高谷の攻撃はほぼないことを意味していた
2点差を追う能京は次の攻撃手を早めに倒し＿＿＿すぐさま最後の攻撃へ向かう構え
対する奏和、攻撃の要・高谷を欠いた状態。選択肢は時間を潰す事。または……
『(点差を広げにくる……宵越君が高谷さんをタッチした時、歩さんだけはその場に止まった)』
「勝利のために行くぞ……能京!!!」
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巫和泉(プロフ) - ゆるふわ犬さん» ゆるふわ犬さん。いつもありがとうございます！コロナ禍でお互い大変かと思われますが、体調をくずされませんようお元気でお過ごしください！これからもよろしくお願いいたします┏○┓ (2021年4月18日 14時) (
レス) id: c314aa38cf (このIDを非表示/違反報告)
ゆるふわ犬(プロフ) - 巫和泉様、この度は新作を作ってくださってありがとうございます！巫和泉様の神作全て拝読しております！コロナ禍で大変なご時世ではありますが体調に気をつけてお過ごし下さい。続きをお待ちしております！ (2021年4月14日 22時) (レス) id: bd276433d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：巫和泉 x他1人 | 作成日時：2021年4月10日 22時
