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20話 ページ21

Noside

王城は呆気なく宵越に負けてしまった。


『に、兄さん!!』


「部長は退院明けだぞ宵越!!」


「………!?(軽すぎる…!!力を全く感じなかった……退院明けとはいえこの力はひどい……)」


宵越は自身のパワーが上がっているのでは?と考え畦道の腕相撲をするが、結果は畦道の勝利。
今度は王城と井浦で腕相撲するが、2人ともいい勝負だった。


「……おい、面倒だから単刀直入に聞くが……なんでお前が部長なんだ?明らかに弱いし、カバディ向いてねーだろ」


『………』


「……そうだね。僕の身体はカバディ向きじゃない。でも僕が”部長”なのは、僕が一番強いから」


不敵な笑みを向けると宵越は意味が分からないという顔になる。
けれど、Aは指先が少し震えていた。”恐怖”からかと思いきや、その表情は”恐怖”とはかけ離れていた。


「……慶、そのちょっと体育館使えない?」


「え、」


「どうせ止めても聞かねーんだろ」








「腕相撲の次はカバディかよ。なおさら負ける気しねーぞ」


「慶とAに聞いてるよ。足速いって。」


宵越の隣に立つ王城の脚は震えていた。


「同じポジションで足の速い新人、焦っちゃうよね。今までなかったもん


早く勝負したくて焦ってたんだ。
早く勝負しよう?ね、早く………」


「(ビビってた訳じゃねーのか………!?)」


先程までの震えが嘘かのようにピタリ、と止まる。
笑みを浮かべる王城からはオーラが溢れていた。


「………僕が攻撃でいいかな…早く……やろう。」


一瞬気がついた王城は頭を横に振り、深呼吸をする。


「キャプ、無理はさせたくない。1ターンの勝負で”自己紹介”できるか?」



「うん」


コートに近寄りしゃがんでから、一礼をする。


「……お久しぶりです。またよろしく……お願いします。
僕は攻撃手(レイダー)だから……攻撃を見せたいんだけど、誰が守備いいかな?」


「当然俺はやるぞ。何ができるか気になるしな」


「あ……おらも!!」


「ありがとう。……あとは?」


水澄と伊達は控えめに断り、井浦は審判をやるということで不参加になる。
Aは指先や脚など震えが収まらず、一歩前に出るが、井浦は彼女の腕を掴んでそれを止めた。


「A。お前の気持ちも分かるが、やりたいなら、ちゃんと先生に診てもらってからな」


『………むぅ。わかった』

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巫和泉(プロフ) - ゆるふわ犬さん» ゆるふわ犬さん。いつもありがとうございます!コロナ禍でお互い大変かと思われますが、体調をくずされませんようお元気でお過ごしください!これからもよろしくお願いいたします┏○┓ (2021年4月18日 14時) (レス) id: c314aa38cf (このIDを非表示/違反報告)
ゆるふわ犬(プロフ) - 巫和泉様、この度は新作を作ってくださってありがとうございます!巫和泉様の神作全て拝読しております!コロナ禍で大変なご時世ではありますが体調に気をつけてお過ごし下さい。続きをお待ちしております! (2021年4月14日 22時) (レス) id: bd276433d3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:巫和泉 x他1人 | 作成日時:2021年4月10日 22時

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