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顔が歪む感覚がある訳でも、唇が震えることもない。私の意思とは裏腹にただ垂れ流れてくる涙。
感情に頭が追い付いていなかった。
「違うんです、イライさん。嫌だとか、そうじゃないんです」
ただ気持ちが浮立っていることは確かだった。胸の奥底に広がる確かな恍惚感。
淡く広がり、わたしの心を満たしている。
そうか、嬉しいのか。感動しているんだ。
何も無い自分にこわんな素敵で嬉しい物をくれた。
彼に喜びを感じているのか。
「ごめんなさい...ごめんなさいイライさん。私、貴方の気持ち何もわかっていなくて。全然、私じゃ貴方に何を返してあげられるか.......」
言葉が詰まって上手く話せない。どうしよう。伝えたいことも伝えられないのか。
不意に引っ張られたのはその時だった。
引き寄せられると、少し背の高いイライさんの胸に頬が当たる。
背中に回された少し細い腕が、壊れ物を触るように優しく抱きしめてくれた。
彼の身体はいつも温かい。
「謝らないで。僕は何も要らないから、ずっと傍に居てよ。ね、お願い。ここを出たらさ、一緒に夢を叶えに行こうって言っただろ、その先もずっとAは僕の隣にいるんだ」
衣服を通して伝わってくる早い鼓動。心地好い音。
ここが自分の居場所だと、錯覚してしまいそうだ。
「花貰ったの、初めてなんです。だから..だからこんなに、」
「花なんていつでもプレゼントするよ。Aが喜んでくれるなら、もっとたくさん」
彼から何かを教わる度、抱きしめられる旅に私は言葉でない言葉を知る。
幸せで、だけどそれが怖くて。
.......とても不思議な気分だ。
「君が隠れてしまうくらい大きな花束だって。無理なお願いだってなんでも。なんでも、聞いてあげるから」
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イキテル(プロフ) - 夜さん» こんなに前の作品にコメントありがとうございます！ 今はスランプ気味で中々お話が思うように書けていませんが、コメントを励みに頑張ります。また機会があればとこかでお会いしましょう！ (2022年1月31日 0時) (
レス) id: eab5f6dd9c (このIDを非表示/違反報告)
夜 - 初めまして。この作品を久しぶりに読み返させて頂き、改めて素晴らしいなぁ、と感じました。更新されるのを今か今かと楽しみにしていた日々が懐かしいです。当時はコメントをする勇気がなく、1、2年越しにはなってしまいますが、完結おめでとうございます！ (2022年1月30日 3時) (レス) @page45 id: 1656e46327 (このIDを非表示/違反報告)
雪モチ(プロフ) - イライ大好きでなかなかない小説の中でこんなに面白い小説をただで読めるのが夢のようです！本当に面白かったです！更新お疲れさまでした、完結おめでとうございます！ (2021年9月3日 8時) (レス) id: 920125ce92 (このIDを非表示/違反報告)
イキテル(プロフ) - 桃花さん» 最後まで読んでいただきありがとうございました。またどこかでお会い出来れば幸いです。 (2020年12月11日 0時) (レス) id: eab5f6dd9c (このIDを非表示/違反報告)
桃花(プロフ) - 転生ものが大好きなので、主様の素敵な小説に出会えてよかったです(*^▽^*)完結おめでとうございます、ありがとうございました！ (2020年12月10日 21時) (レス) id: 7b3a824d31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イキテル | 作成日時：2020年8月6日 0時
