大好き程度で結婚すんじゃねぇぞ。 (ページ27)

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松村「ん゛ー、、、やっと終わったー」

資料ミスが見つかって手直ししていると
普段適当に済ませてしまっているツケが回ってきたみたいに
窓の外は暗くなっていた。

久しぶりに集中していて高地が帰ったことさえ記憶にない。
いつも何か言ってるから、挨拶くらいしたんだろうと考えて

誰もいないここってこんな広いんだと感じだ。

「ん、、、」

松村「え」

突然、目の前の書類の隙間から動く頭と声が聞こえて
一瞬心臓が止まるような気がしたけど、
直ぐにそれは誰かわかった。

「、、、あ、寝ちゃってました、、
先輩、終わりましたか？、、お疲れ様でした」

少し寝ぼけた顔と変な笑い顔。

松村「なんで居んの？」

「先輩、お手伝いしますって声をかけても
高地さんが帰るって声をかけても集中されていたみたいで心配でした、、、」

俺が後輩かよ。

「それと、、、これ」

松村「ん？」

手に包まれたものを覗き込むと、
俺が捨てて二度と見ることはないと思っていたものがあった

松村「なんっ、、」

「先輩は捨てると言ってたんですけど、なんだか大事なものだったように思えて拾っちゃいましたっ、、、、
いつもつけてらっしゃったのに、急にいらないって気になったんです」

爪の中はカスまみれになっていて、
手のひらも少し汚れていた。
でも、それだけは綺麗で大切そうに手の中に収まっていた。

松村「、、、ふっ、、ははっ、、あははっ」

「えっ？先輩？！」

なんだからそれが面白くって、
君の顔を見ると鼻先が少し黒くなってることにも気づいて
また笑ってしまった。

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