彼奴 ページ22
Aside
シャオロンさんと別れ、帰路に着く。客足も少なくなり、それに比例して街の煌びやかな雰囲気が物静かな雰囲気へと変わっていく。疲れがドッと溜まり睡魔に襲われる。
コネシマさんと、会話を弾ませる訳でも無く唯々眠気が頭を支配する。半ば船を漕ぎながら歩く。時々千鳥足になりながら、ぼやける視界を一生懸命鮮明化しコネシマさんの後を着いていく。此処でコネシマさんとはぐれてしまったら、周りの妖怪に喰われてしまうかもしれない。想像しただけで冷や汗が背中を伝った。やっと、御屋敷が見えるとこまでこれた。休める、と安心感でいっぱいになっていた。安心感からか欠伸が出てきた。コネシマさんが御屋敷に入っていき、私もそれに続こうと一歩踏み出す。
暗転。
kn side
多少のハプニングがありながらも食事を終え、帰路に着いた。Aは雛鳥の如く着いてきた。屋敷が見え、少し足を早める。今日の内容が濃く、普段とは比べ物にならない程疲れが溜まっていた。少しでも早く休息を取りたかった。もう、見飽きてしまった障子を開ける。何か変な物が置いてある訳でも無い普通の部屋。それが視界に入っただけでもう休める、と安堵した。下駄を雑に放りAに寝床の場所を指示する為、後ろを振り返る。
しかしそこには、人影一つすら無かった。
sho side
お別れを言ったものの、いつも通りAの後を追っている。彼女は眠いのか、船を漕ぎながら覚束無い足取りで犬神様の後を着いて行っていた。時折目を擦り歩いていた。それが、なんとも愛らしく自然と口角が上がり、頬が紅潮する。御屋敷が見え始めると安心感からか、欠伸を出していた。Aの可愛さに悶えていると屋敷に入ろうとしている姿が目に入った。流石に屋敷の中に入ってしまうと犬神様への無礼を働く事になってしまうので、最後にAの姿を目に焼き付けておこうと瞬きひとつせず見つめた。
すると、何処からともなく生えてきた手がAの四肢を掴み一瞬にして消えた。頭が真っ白になった。何処へ行ってしまったのだろう。そんな疑問が頭に浮かんだ。しかし、そんな疑問は直ぐに消えた。それと同時に彼奴の憎たらしい顔が頭に浮かんだ。いつも、余裕そうな顔を浮かべ、何の躊躇いも無く周りの奴等の心を弄ぶ。例え、それが妖怪であろうと神であろうと。何度彼奴の死を望んだだろうか。何度彼奴を殺そうと思っただろうか。想像しただけで苛つきが増し、拳を思い切り握る。拳から血が滲んでいるのにも気づかずに。
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あまね(プロフ) - すき (8月8日 4時) (
レス) @page28 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ふぉっさ(プロフ) - 彩雲朱瑠璃さん» 返信、遅くなってしまい申し訳御座いません。感想だけで無く、アドバイスまで頂けるなんて感無量です。その、助言有難く頂戴致します。更新は不定期になってしまいますが、乞うご期待を。 (2022年7月25日 12時) (レス) id: c787972aae (このIDを非表示/違反報告)
彩雲朱瑠璃(プロフ) - すごく面白くて好きです！あ、あともしかしたら１ページ目のはないちもんめのところ、「ちょっとおいで」じゃなくて「ちょっと来ておくれ」かもです。在住地違いなどもあるかもしれませんが… (2022年7月18日 21時) (レス) @page1 id: b1698b1cbf (このIDを非表示/違反報告)
ふぉっさ(プロフ) - 名無しくんさん» 返信遅くなり、申し訳ございません。初コメ有難うございます。更新は不定期ですが、これからも頑張りますので、乞うご期待を宜しくお願い致します。 (2022年5月22日 10時) (レス) id: c787972aae (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - とても素敵な作品ですね！私には書けない…すごいです！なんかこう…すごいです！(語彙力０)これからも頑張ってください！ (2022年4月14日 22時) (レス) @page9 id: 271b6082c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：。 | 作者ホームページ：
作成日時：2022年4月1日 12時
