彼が消えて早5年。今私は...6【降谷零・安室透】

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「透流、郁流、水族館行こっか？お母さんも行くから、澪とお父さんをよかった所に案内できるようにしておかない？？」





目線を合わせてそう話しかければ、ハッとしたように2人は顔を見合わせて大きく頷いた。









「「いきたい！！」」







2人のその言葉に、わぁっと子供達が盛り上がる。その様子を哀ちゃんやコナンくんと共に見ていれば、急に携帯の着信がなり始めた。









ごめんね、と断りを入れて電話に出れば、それは警察病院からで。





澪ちゃんが目覚めました。至急、病院までお願いします。






その言葉を聞いて思わず固まってしまった。








「Aさん？どうかしたの？？」





「澪が、目覚めた、って...」









訝しげにこちらを見た哀ちゃんに、呟くようにそう答えれば、コナンくんと哀ちゃん、阿笠博士の視線がバッとこちらに向いた。







「ほんとか！？？！」





「Aさん、早く行ってあげて。あの2人は任せていいから。」




「わしが面倒を見ておくから、Aさんは澪ちゃんの所へいってあげたほうがいい。」





3人にそう諭され、背中を押されて家から出る。パッと振り返ってお礼を言い、阿笠博士に子供たちの入園料とかに、と多めにお金を渡して大通りへと走り出した。






ここからタクシーを使えば...！！！








幸いすぐに捕まえられたタクシーに飛び乗り場所を指定する。







起きた澪が寂しい思いをしないように、道が混んでいませんようにと祈りつつ、澪の待つ病院へと急いだ。


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辿り着いた病院では、入り口で私を待ってくれていた人がいた事もあり、スムーズに澪の所まで行くことが出来た。






ガラリ、といつもよりかなり慌てて扉をあければ、そこには澪と、澪を診察してくれた先生が向かい合って座っている。






「澪！！！」





澪に近付き、抱き締めてやれば、その瞳からボロボロと涙が零れる。それを拭ってやっていれば、不自然な事に気が付いた。口からはひゅぅひゅぅと言う息の音はするのに、澪は一言も言葉を発しないのだ。





「せん、せい？？」




まさか、と先生を見上げれば、気まずそうに視線を合わせてくる。




「澪ちゃんは、目覚めたんだが…」









声が、出ないみたいなんだ。

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