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病室へ着くと同時に、透流と郁流は一直線に澪の寝ているベッドの脇へと駆け出した。
眠ったままだった澪をみて、透流が不安そうに声を漏らす。
「みお、おきたんだよね...??」
「すぐ、おきるよね?」
郁流も不安そうにこちらへ視線を寄越してくる為、私もベッドサイドにより、2人に笑みを向けた。
「大丈夫だよ、多分そろそろ起きるから。...そうだ、2人に言わなきゃだった。」
2人に澪の容態について話していなかったことに気が付き、笑みを浮かべていた表情を真剣なものにかえる。
そうすれば、2人も探るようにじっとこちらを見つめてきた。
「あのね、澪今あの時の事がトラウマで、声が出なくなっちゃってるの。」
「...みお、しゃべれないの?」
「うん、怖い事に巻き込まれたせいで、声が出なくなっちゃったんだ。だから、あの時の事はまだ話さないで欲しいのと、無理やり声を出させるようなことはしないって約束できる?」
私の言葉がうまく理解できない、というようにポカンとしたまま繰り返す透流に、そのまま言葉を続ければ、2人は顔を見合わせてから、此方に意志のこもった目を向けてきた。
「うん、やくそくする。みおがこえをだせないなら、あぶないこととかあったら、おれたちがみおをまもる!!」
「ぼくたちがいっしょにいれば、みおもこわいのすこしへるとおもうから。...いつもどおりにいっしょにいるね。」
力強いその目に安心して、2人の頭をくしゃくしゃと撫でれば、擽ったそうに身をよじった。
2人の近くにしゃがみ、ぎゅっと抱き寄せれば2人も私に抱きついてくる。
「ありがとう、透流、郁流。」
そう呟けば、2人は一層強い力で抱きついてきた。
「あ、かあさん!!とうさんに、みおのことれんらくした??」
しばらく私の腕の中でじっとしていた透流が、唐突にそう訪ねてきた為、その存在を思い出した。
やば、零に連絡入れるの忘れてた。
思い出して詳細も含めて連絡を入れると、珍しく秒で返事が帰ってきた。
【今日の夜そっちに行く。】
...どうやらここに来るらしい。
時間、大丈夫なのだろうか。
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2806 - 227の一番最初の会話文名前変換がされません。 (2020年5月5日 23時) (レス) id: 9f4a8947a4 (このIDを非表示/違反報告)
空良(プロフ) - 紫乃さん» もしノット生存だった場合は番外編書きますね!!続編もよろしくお願いします!!! (2018年9月15日 21時) (レス) id: f2ba36fa24 (このIDを非表示/違反報告)
空良(プロフ) - 紫乃さん» コメントありがとうございます!!篠崎さんはもっと後に出てくる予定の重要人物かもしれません笑キュラソーに関してはネタバレになるのでノーコメントで笑ただ私も一応どちらのルートも考えているので迷ってます... (2018年9月15日 21時) (レス) id: f2ba36fa24 (このIDを非表示/違反報告)
空良(プロフ) - salomeさん» 了解です!!本編では、ハロは純黒の悪夢後に出てくる予定です!!番外編は書き次第のせます!!リクありがとうございます!! (2018年9月15日 21時) (レス) id: f2ba36fa24 (このIDを非表示/違反報告)
紫乃 - 本編でキュラソーが原作通り死んでしまうのなら、番外編の方でキュラソーの生存ルートで三つ子や少年探偵団と仲良くしているお話が読みたいです...!勿論いつになっても構いませんので...!続編も応援しています!! (2018年9月15日 15時) (レス) id: ac941b5bc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空良 | 作成日時:2018年8月15日 21時