防弾のハイテンションボーイ 9

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ソラン


翌朝、目を覚ますと隣にはジョングクがいた。


「グク･･･」


眠っているはずのジョングク。


けれど俺の手を握っている力は強かった。


ふと左手を見ると包帯が巻かれていた。


「･･･あー、そうだ。俺、死のうとしたんだ。」


気がついたらキッチンにいて、気がついたら俺の手から血が流れていた。


なぜそんな事をしたのかと言われても、そうするべきだと思ったからとしか言い様がない。


「死ねばよかったのに･･･」


そう呟いたのも、俺がそう思ったからだ。


ジョングクの手をゆっくり外し、部屋の外へ出るとリビングにジニヒョンがいた。


JN「ソラン、おはよう。顔色少しはマシになったね。」


ヒョンの手のひらが俺の頬を撫でる。


まるで、ここにちゃんと俺が存在しているのかを確かめているようだ。


「ヒョン･･･俺･･･」


その後の言葉が上手く出てこない。


その時、ジニヒョンの部屋から俺の携帯が鳴った。


兄さんに何かあったのか？！


リビングを出ようとすると、ジョングクが俺の携帯を持って入ってきた。


さっきまですやすやと眠っていたジョングク。


今のジョングクは、俺を不安そうに見ている。


こんな顔させたかったわけじゃないのに。


電話に出ると、声の主は俺の大切な兄さんだった。


「兄さん？！なんで？意識が･･･」


『ごめんね、彼女ちょっとあわてんぼうで(笑)意識不明って言ったんだって？』


「うん･･･俺のサセンに襲われて･･･それで･･･」


謝らなきゃ。


俺のせいでごめんなさいって。


『ねぇソラン。僕が気にしないでって言っても君は気にするよね。だって君はそういう子だもん。だから言い方を変えるね。これは、僕と僕を襲った人の問題だからお前は口を出すな。』


「そんな･･･だって、襲ったのは俺のサセンなんだよ？！それに俺･･･」


『でも、君と僕が兄弟だなんて向こうは知らなかった。ただまぁ、君と僕がよく似ていたから好きになったとは言っていたけどね。』


兄さんを襲ったサセンは日本の子で、ブラックリストにのったせいでファンクラブは強制退会され、イベントも出入り禁止なった。


そこで俺の事を諦めたつもりだったが、たまたま入ったカフェで兄さんを見てあまりにも俺に似ていたから好きになったそうだ。


好きなって俺と同じように追いかけ回りした結果、兄さんに恋人がいると知ったようだ。

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