044：初めての燃える男20 ページ34
後方、五条の背後目掛け飛んできたのは“尾”だ。
毛むくじゃらで、狼だとか狐だとかそういった獣の太い尾。
だが、大きく違う点は先がピンと尖っていて、まるで太くて大きな針のように見える。
いや、見えるんじゃなくて間違いなくそうなっている。
闇の中から出現したそれは、五条の背を貫かんばかりの速度でやってきたが、その程度の不意打ちに対応できない程五条悟は弱くない。
すぐさま繰り出した拳を引き、振り返って尾を正面で迎え打とうと構えた。
問題ない。こちらが防御せずとも、無限を張った。
あとはその尾を掴んで引き摺り出してやる。
「違う、悟ッ！！そいつはフェイントだ…ッ！！」
夏油が指さした先、そう。
今度は振り返ったことで背後へと回った壁、その壁の前でけたたましくコウモリもどきが鳴いているのだ。
「…ッ！？」
五条の瞳が素早く自身を挟んだ両者を見比べ捉える。
この時、彼の判断が遅れた。何故なら、彼の中でいまいち理解出来ないことが起きていたからだ。
五条を抜いた三人の瞳は、目の前の光景に揺れ動いた。
あの五条悟が、背後から体を拳で貫かれたのだ。
五条の瞳が小さくなり、背後を横目で睨みつける。
しかし、貫かれた事実に変わりはなく、剛腕が引き抜かれると同時に五条はよろめいた。
「...く、ッ」
「馬鹿、何意地張って踏ん張ってんだ...！」
膝を着きそうになる五条。だが、彼のプライドが許さないのか、ギリギリの所で踏ん張ると彼の体から血液が噴き出た。
何してんだ、この単細胞は。硝子は言い放ったあと、すぐに駆け寄ろうとしたが、それを夏油が制す。
「連れてくる。夜蛾先生は硝子を...！」
「勿論だ、何処に潜んでるか分からん」
闇の底へと姿を潜めていった相手。
まだ実態も原理も分かっていないというのに、どう挑めと言うのか。
走って、夏油は五条のもとへと急いだ。
腕に自身の頭を通すと、五条が細い声で「触んじゃねぇ」と噛み付いてきたが知った事かアホとそのまま夏油は彼を担いで硝子のもとへ運んだ。
「腹貫通しただろ絶対」
「する瞬間、げほッ、...反転術式に、シフトチェンジ、した...ッ、」
無限解いちまったけど、なんとか息してらァ。
青白い顔で得意気に述べた五条。もはや硝子が言えることはなく、代わりに大きなため息を漏らした。
馬鹿だろ、やっぱり。
「傑、」
「分かってます。反転術式持ちの硝子が第一優先。私が護るより、先生が護った方がいい」
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鼻毛太郎(プロフ) - shinox2さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！😭💜シリーズ自体は、気づけば2年も続いているようでとても感慨深いです…本編もこちらの過去編と帳尻合わせの為に更新送らせていたのですが、また再開しますね…！今年も最後となります、来年も宜しくお願い致します！！ (2022年12月31日 1時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - ギャルシリーズ大好きでずーっと読ませて頂いてます😊今回の燃える男編も楽しかったです😆✨燃え先との最後のセリフに泣きそうでした。本編?渋谷事変の方も楽しみにしてます✨ (2022年12月30日 19時) (レス) @page50 id: be840a4968 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - みぃみゅさん» 初めてになれてとっても嬉しいです😭😭一旦甚爾は作中から身を引く感じになってしまいましたが、ギャルと甚爾が直接邂逅しないだけでちょいちょい出てくるので是非お楽しみに...！引き続き楽しんで頂けると嬉しいです💫💜 (2022年8月17日 11時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
みぃみゅ(プロフ) - 昨日から徹夜で全部読んだけど(朝7時)ここまで読み込んだのは初めて…伏黒甚爾さん最推しなので夢主ちゃんとの絡みが最高過ぎました。さしす組との絡みも面白いですこれからも更新頑張って下さい!応援してます!あと夢主ちゃんと伏黒甚爾さんの絡みが最高に面白い(2回目) (2022年8月17日 0時) (レス) id: 1302e0d1a8 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 若葉さん» コメントありがとうございます；；💜歳上から見ればまだまだ悪ガキですが、きっと歳下達から見れば悪いお姉さんなはず…！という訳で、ちょっぴりえっちな2年先輩とさしす組編ぜひ今後もお楽しみください！！ (2022年8月16日 15時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2022年7月3日 1時
