【呪術廻戦】呪術とギャル-0.4-

032：初めての燃える男8 ページ22

「いいや、どうせ本当は朝のこと思い出してるんだろ。A先輩のえろ下着」

ニタリと笑って挟まれた硝子の言葉に、今まで車窓を眺め不貞腐れていた五条がバッと勢いよく硝子の方へ顔を向けた。

「だ、だだ、誰がそんな、お、おお、思い出してるわけねぇだろ！！！」

「...やめろよ、お前その童貞丸出しな感じ。ちょっと揶揄ってやるつもりだったのがマジみたいじゃん」

予想を軽々と超える反応を示した五条に、硝子は若干引く。
お前がそんなに純情だとは思ってなかった。ごめん。

その硝子の反応が余計に五条の気を逆撫でて、ただでさえ狭い後部座席がより一層狭くなる。
暴れるな悟と夏油がすぐさま述べるが、彼の気は収まらない。

「おい、言っとくが俺は被害者だからな！？っつーか、どうして俺が童貞なの知ってんだよ！......じゃなくて、この歳で童貞なの別に可笑しくねぇだろうがよぉ！？」

なぁ、傑！？
と、すぐさま同年代同性の夏油へここぞとばかりに助け舟を求めた途端、夏油は涼しい顔で返す。

「いや、私去年卒業したから」

ちょっと同じラインには立てそうにない、それをさも申し訳なさそうにわざとらしく言った夏油に、五条は頭を掻きむしり「こういう時は嘘でも話し合わせろや！！！」と叫び散らす。

嘘で話を合わされたお前の心はそれで満たされるのか。
夏油は聞きたくなったが、自分は五条よりも幾分か大人であると勝手に思っている。
なので、言わないようにした。

「クソッ、全部俺が嵌められたみてぇじゃ、.....！」

イライラと頭を掻き毟る五条が、ふと手を止めた。
はたと何かに気づいたかと思えば、今度は顎に手を添え「はは〜ん」とニタニタ嫌な笑みを浮かべ出す。
加え、彼のその目は硝子を移していた。

「なに...キモい」

硝子は嫌そうに顔を歪ませる。
彼女にとって、五条が持つ顔面国宝レベルの美貌は通用しない。

「君はどうなんだね。え？硝子チャン」

そうやって弄りましたけど、そもそも君も同格なんじゃないの？え？？
五条の目から見て、硝子は“卒業”してるように思えない。
ハッ、弄る資格なんてねぇのよお前なんて。

「なんてこと聞くんだ君」

夏油の言葉を無視し、五条は硝子の言葉を待つ。

待つこと数秒。
硝子は大きくため息をついたあと、満を持してそれはそれはゆっくりと微笑んだ。
そう。微笑むだけ。

それのなんと怖いことか。

五条はこの時、数日前に自分が誓ったことを思い出しすぐに謝罪した。

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