【呪術廻戦】呪術とギャル-0.4-

024：初めての被害者 ページ14

そういうの、吉祥のことで学んだじゃん。私。


自分があの時いたらだとか、どうとか。
なるようになるしか無かった過去は、自分がどれだけ想おうが変わらない。
そんなことを考えるぐらいなら、自分が介入できる未来に足を運んだほうがいい。


Aは首筋を摩った手を見つめた後、すぐに手から目を離し「んで、」と七曲へ顔を向ける。

「その如何にも呪いが吹き溜まってそうだから、今日は調査しろって話？」

「いえ、違います」

頷かれると思ったのに、七曲は顔色を変えずキッパリとAの言葉を一蹴。
行く気満々だったAは、思わずお笑い芸が如くずっこけてしまう。
「超ダッセー転け方したんだけど」と呟くも七曲はツッコんでくれない。

「ちゃんとした呪霊を祓う任務ですよ」

「はぁ…」

曖昧に返事を返すAに対し、七曲は相変わらず淡々とバインダーの資料を読み上げていく。

「正体はまだ確認できていませんが、既に被害報告が三件上がっています。まず最初は、近隣住民からの目撃情報です」

「ちょ、待って、ここ近くに人住んでんの！！？？」

「えぇ。学校はこの状態ですが、ここから少し下ると普通に民家がありますよ。コンビニもあります」

サラリと述べる七曲。
世間から閉ざされた村があるどころか、普通に発展してるじゃん。
マジで人間ってどこにでも居るな。Aは思う。

「夜間犬の散歩に出た近隣住民が、外から校舎三階の窓辺に炎を纏った人型を発見。半年前のことです」

「あー、絶対それ死んだ教師だな」

呪いに転じちゃったんだろうなぁ。Aは他人事のように呟く。

「二件目の情報は、肝試しに訪れた地元の男子高校生三名が揃って行方不明となっています」

「燃えたかな」

「物騒なことをよく平然とした顔で言えますね…」

ふわっとした口調でサラリと述べたAに、七曲は呆れたと言わんばかりの口調で呟く。
とはいえ、彼女の言動にいちいち構っていてはキリがない。
七曲は咳払いをひとつし、その後の三件目の事例について続けた。

「そして、三件目はその行方不明となった男子高校生を探しに行った担任教師が行方不明になっています」

「あ、学校もあるんだ」

「ここが廃校になってから相当経っていますからね。隣の市と合併の形で運営されています」

七曲の返しに、Aは「ふぅん」と相槌を打つ。
何となく他人事のような相槌なのは、Aが何かを考えている証拠だ。
察してか、七曲は「何か気になることが？」と訊ねた。

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