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200:ギャルと「すぐ行く」 ページ50

「え………」

自然と漏れ出た声は、同時に五条の脳内に12年の記憶を駆け巡らせた。
どく、どく…鼓動がどんどん早くなる。

私ね、Aは続ける。


「背中を任せられて、信頼しあって…どっちかが先に死ぬなんて許さない、死ぬとしたら一緒に死にたい。だから、私も置いていかない」



Aの声の後に、奇妙な声が鳴り響いた。
呪霊の声。

Aの目の前まで、例の特級がやって来ていることは明白だった。
けれど、Aは言葉を紡ぐのを辞めない。

強い口調で、Aは今自分が思う言葉を吐き出した。



「私は、悟とそういう関係になりたい」



ぐっと、その時五条の心臓が一層大きく波立った。
思わず目頭が熱くなりかけて、でも泣き出したいとかそういうのじゃなくて。



今、漸く長い時間をかけてAと繋がった。



本当に、本当に底なしに長い時間だった。


泣き出したいし叫びたいし声を上げて笑いたいし、あぁもうぐちゃぐちゃだよ。
五条は片手で額を抑えた。


今これほどまでに、Aに会いたくて仕方ない事があっただろうか。


五条は熱くなった息を声とともに吐き出した。


「すぐ行く。今すぐ行く。行って、それで、」


息継ぎをして、今一番したいことを言った。


「目一杯、抱きしめたい」


そのやり取りに、歌姫や楽巌寺がどんな顔をしていたかなんて心底どうでもよかった。
絶対今する会話じゃない。


けど、今じゃないとダメなんだ


「好き。俺、Aが好きだよ」


Aに託そう。
Aが呪われて、初めて五条はAに賭けた。

五条は、Aの中で何かが動き出した事に気づいた。もう、地獄を目指して歩くAじゃない。

だから、今はAに賭けていい。
もう前みたいに心配しなくていい。

元から強いけど、でもAは更に強くなった。


僕らは今、友達よりも悪友よりも先輩後輩よりももっと上の関係になった。



恋人なんかの枠よりも、もっとずっと深い何かで結ばれあった。



「うん、知ってる。もう恥ずかしいぐらい知ってる」



呪霊を前に、Aは口角を引き上げた。



「さて、かかって来いよ。クソして寝る暇も与えねぇからな」






________。



どうしてもここまでは書きたいと思い、50話目一杯書きました;;;;

もう言うことありません…

二人を動かす事にとんでもなく悩んだ時期もありましたが、書き終えてみて最後の展開にとてもしっくり来てます。

文字数も限界なので、今回はこれで…!

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鼻毛太郎(プロフ) - 華花。さん» コメント有難うございます!これでいいのか...?と悩む時期が続いていた中、温かいコメントを頂けて本当に泣くほど感謝してます;;現在5章目を製作中なので、しばしお待ちを…!今後もギャルと呪術を宜しくお願い致します! (2021年4月21日 11時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
華花。(プロフ) - いつも緊張して送れませんでしたが初コメント失礼します!もう作者様は言葉選びから構成まで最高すぎます…素敵な作品を生み出してくれてありがとうございます! (2021年4月20日 23時) (レス) id: 2bd2296ed7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2021年3月1日 0時

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