178:ギャルとうぜぇ先輩 ページ28
五条に言われたAは、ハッとし自分の顔をむにむにと触る。
可笑しなAに、五条は「先輩どうしちゃったの?」と七海へ尋ねた。
「さぁ。貴方のせいでは?」
七海は肩を竦め、英字新聞に視線を戻した。
あながち間違いではない。
「え!?僕のせい!?………先輩が寝てる間、勝手に家に入って味噌汁作り置きしといてあげたのバレたのかな」
「絶対にそれじゃないですし、五条さんそろそろ出頭した方が宜しいかと」
「あの味噌汁作ったの悟だったの!?誰が作ったか分かんなかったけど、美味しかったから全部食べたよ…」
「Aさんは危機管理能力をもっと高めてください。普通に不法侵入されているんですよ」
だから、どうしてこの二人はいつも1ミリほどズレてるのに噛み合うんだ。
「あれ美味しかった?いやぁ、先輩の胃袋掴んじゃったか〜!お嫁に迎えて〜」
「仕方ないな、君の味噌汁毎日飲んであげよう…老いてもな」
「やだ…ダーリン……悟、トキメいちゃう…」
二人の茶番劇に、七海はため息をつく。
先程まで悩んでいたというのに、よくその悩みの種と結婚を模した茶番劇出来ますね貴方。Aに対し思うが、口に出すことは無い。
既に精神的疲労を感じる七海を横に、ふと五条が机の上へ視線を走らせた。
「そういやぁ、マイク見つけたんだ。いやぁこれで雰囲気出るね」
「そうそう、そうなの!倉庫で見つけたのよ〜」
Aは置かれたマイクを手に取り、魔法少女のステッキが如く掲げて見せた。
「雰囲気…?」
何処か引っかかる言葉に、七海は片眉を上げる。
言葉を聞き逃さなかったAと五条。
こちらを視界に捉え逸らさない二人に七海は思った。
口に出すんじゃなかった。
なんてもう遅く、五条は目の前の机を長い足で飛び越えるとAの横に座った。
七海に詰め寄る先輩二人。
「七海君これに目をつけるとはお目が高い」
五条は言いながら、Aの肩をナチュラルに抱く。
もはや癖というか、五条の中には自然と一連のやり取りに含まれているのだろう。
Aもなんとも思っていないし、これはただのスキンシップだ。
が、しかし。
Aが自然な手つきで五条の腕を肩から退かす。
「え、なぜ???」
「照れそうになったから」
「照れ、え、何先輩どういうこと!!?」
今、重要なこと言われました!?
ちょっと、ねぇ、とAに詰め寄る五条。
「これはね、楽巌寺のジジィを泣かせる為の仕込み道具よ…」
「無視ですか???」
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鼻毛太郎(プロフ) - 華花。さん» コメント有難うございます!これでいいのか...?と悩む時期が続いていた中、温かいコメントを頂けて本当に泣くほど感謝してます;;現在5章目を製作中なので、しばしお待ちを…!今後もギャルと呪術を宜しくお願い致します! (2021年4月21日 11時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
華花。(プロフ) - いつも緊張して送れませんでしたが初コメント失礼します!もう作者様は言葉選びから構成まで最高すぎます…素敵な作品を生み出してくれてありがとうございます! (2021年4月20日 23時) (レス) id: 2bd2296ed7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2021年3月1日 0時