検索窓
今日:16 hit、昨日:28 hit、合計:313,945 hit

178:ギャルとうぜぇ先輩 ページ28

五条に言われたAは、ハッとし自分の顔をむにむにと触る。
可笑しなAに、五条は「先輩どうしちゃったの?」と七海へ尋ねた。

「さぁ。貴方のせいでは?」

七海は肩を竦め、英字新聞に視線を戻した。
あながち間違いではない。

「え!?僕のせい!?………先輩が寝てる間、勝手に家に入って味噌汁作り置きしといてあげたのバレたのかな」

「絶対にそれじゃないですし、五条さんそろそろ出頭した方が宜しいかと」

「あの味噌汁作ったの悟だったの!?誰が作ったか分かんなかったけど、美味しかったから全部食べたよ…」

「Aさんは危機管理能力をもっと高めてください。普通に不法侵入されているんですよ」

だから、どうしてこの二人はいつも1ミリほどズレてるのに噛み合うんだ。

「あれ美味しかった?いやぁ、先輩の胃袋掴んじゃったか〜!お嫁に迎えて〜」

「仕方ないな、君の味噌汁毎日飲んであげよう…老いてもな」

「やだ…ダーリン……悟、トキメいちゃう…」

二人の茶番劇に、七海はため息をつく。
先程まで悩んでいたというのに、よくその悩みの種と結婚を模した茶番劇出来ますね貴方。Aに対し思うが、口に出すことは無い。

既に精神的疲労を感じる七海を横に、ふと五条が机の上へ視線を走らせた。

「そういやぁ、マイク見つけたんだ。いやぁこれで雰囲気出るね」

「そうそう、そうなの!倉庫で見つけたのよ〜」

Aは置かれたマイクを手に取り、魔法少女のステッキが如く掲げて見せた。

「雰囲気…?」

何処か引っかかる言葉に、七海は片眉を上げる。
言葉を聞き逃さなかったAと五条。
こちらを視界に捉え逸らさない二人に七海は思った。

口に出すんじゃなかった。

なんてもう遅く、五条は目の前の机を長い足で飛び越えるとAの横に座った。
七海に詰め寄る先輩二人。

「七海君これに目をつけるとはお目が高い」

五条は言いながら、Aの肩をナチュラルに抱く。
もはや癖というか、五条の中には自然と一連のやり取りに含まれているのだろう。
Aもなんとも思っていないし、これはただのスキンシップだ。

が、しかし。

Aが自然な手つきで五条の腕を肩から退かす。

「え、なぜ???」

「照れそうになったから」

「照れ、え、何先輩どういうこと!!?」

今、重要なこと言われました!?
ちょっと、ねぇ、とAに詰め寄る五条。

「これはね、楽巌寺のジジィを泣かせる為の仕込み道具よ…」

「無視ですか???」

179:ギャルと復帰→←177:ギャルと貴様気づいているな



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (314 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
920人がお気に入り
設定タグ:呪術廻戦 , 夏油傑 , 五条悟
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

鼻毛太郎(プロフ) - 華花。さん» コメント有難うございます!これでいいのか...?と悩む時期が続いていた中、温かいコメントを頂けて本当に泣くほど感謝してます;;現在5章目を製作中なので、しばしお待ちを…!今後もギャルと呪術を宜しくお願い致します! (2021年4月21日 11時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
華花。(プロフ) - いつも緊張して送れませんでしたが初コメント失礼します!もう作者様は言葉選びから構成まで最高すぎます…素敵な作品を生み出してくれてありがとうございます! (2021年4月20日 23時) (レス) id: 2bd2296ed7 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2021年3月1日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。