【呪術廻戦】ギャルと呪術-2-

072：ギャルと特級呪具 ページ22

「”桐壺”の許可くれ。交流会で使いたい」

「えぇぇ！！？真希、お前アレ使うのか！！？」

重たいしデカいし持ちたくない！！とパンダが突然騒ぎ始めた。
真希は面倒くさそうに「うるせー」と返している。

「おかか、おかか」

棘も何やら否定的な言葉を真希へ浴びせる。

「私の勝手だろ。Aが所有権持ってっから、こうやって居る時しか許可貰えねーんだよ」

たまには使いたい、と真希は述べる。

”桐壺”

それは、呪具使いであれば一度は使ってみたい代物だ。

会話を聞いていた野薔薇が、「源氏物語の話してる？」と伏黒へ尋ねた。

「違う。と、言いたいとこだがあながち間違ってねーよ」

伏黒は、”桐壺”について話し始めた。

「”桐壺”は、Aさんの家系が所有権を持つ未完成の呪具だ。」

「未完成？何それ、そんなんあんの？」

伏黒は頷きながら、「勿論、”一つ”でも使うことはできる」と続ける。

「”桐壺”は本来、対で作られた”夢浮橋”と合わさる事で完成する呪具だ。Aさん、本当は呪具がメインなんだが、」

「え！？あんだけ近接出来んのに、アレがメインスタイルじゃないの！？」

化物かよと野薔薇はAに視線を向ける。
恐るべし、ギャルの力。

「いやでも、10年以上前の話だし」

「そ！今は呪具使ってないよ」

聞いていたのは、Aが補足した。

「私の”師匠”みたいなのが、元々呪具使いなんだよね。マーーージ強いし性格悪い」

「…化物よりも上の化物が居るのかよ。伏黒、アンタ見たことある？」

「ない。けど、確かその人に”夢浮橋”を壊されたんですよね」

Aは伏黒の言葉に頷く。
それも、あからさまに嫌そうな顔をして。

「…思い出すだけでも腹立つわ」

もはや怨念を感じる。
ちなみに、Aは呪具を使わなくなった理由は「携帯より重い物持ちたくないから」だそうだ。
この辺りから、野薔薇はギャルの無茶苦茶な理論に突っ込むのをやめた。

「真希なら許可降ろしていいかな。壊さないし」

「あんな代物、よく壊そうと思うよな。特級呪具だろ」

「金銭バグってる馬鹿だったんだよ」

言いながら、Aは伏黒を見た。
思わず伏黒は「なんで俺を見るんですか」と言ってしまう。

「恵もさぁ、呪具使うといいよ」

唐突に言われ、伏黒は呆気に取られる。

「才能、絶対あるから」

「経験、ないですけど…」

するとAは、何が根拠かは知らないが「うん、でも大丈夫」と述べた。


”そういう血は流れてるから”

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