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070:ギャルと”あの女” ページ20

全く理解できなかった。


「ほらほら二人共、もう終わりかい?」


煽られているのは分かっている。
普段の野薔薇と伏黒なら、ムカついて立ち上がっているはずだろう。
けど、この規格外のギャル相手にはもうどうにもならない。

傷だらけの一年二人。
立ち上がる気力もない。

その前には、優雅に佇み”来なよ”と手招きするA。
高いピンヒールのサンダルに、短いタイトスカート。
全く動く気のない格好だというのに、それでも二人は敵わなかった。

「そろそろ時間かなぁ」

Aが携帯画面を鏡がわりに、前髪を直し始める。


今なら…!


その隙を見て、伏黒は最後の力でAへと飛びかかった。
が、しかし。

「ぐッ……!!」

特に動くことなく、背中にたった蹴り一発を喰らい伏黒は地に伏せる事となった。
背中をピンヒールで踏まれる。

「惜しかったね」

「思ってもない癖に…ッ」


「はい、10分経ったぞー!」

パンダがストップウォッチ片手に声をあげた。
同時、Aがやったー!と声を出す。

「真希、今何勝目?」

「勝負数イコールお前の勝ち数だよ、分かんだろ」

だから、数えるまでもないと真希は最初に言ったのだ。
体力を使い切った伏黒と野薔薇は、グラウンドに寝転ぶ。
今更泥だらけになろうがもう構うものか。

「なんなの!?ギャルのくせになんなの!!?」

「だから言っただろ、勝ったことがないって」

「あんな見た目してりゃ勝てると思うだろ普通!!」

一年の会話に、Aがケラケラ笑う。

「Aは呪術界の中でも、近接上位ランカーだからな」

パンダの言葉に、「ゲームみたいに言うな」とAが突っ込む。

「でも、向こうの東堂より強いだろ」

「シャケ」

「そりゃあ…」

突然Aは言いにくそうに口をもごつかせた。

「去年、憂太の付き添いで交流会行ったんだろ?その時に東堂に喧嘩吹っかけられて、ボコボコにしたって…悟が言ってたぞ」

Aは思わず「あのクソ後輩…」と額を抑えた。
確かに、これは本当の話だ。
売られた喧嘩は、倍の金額で買う。これが、Aのポリシー。

しかし、京都校の東堂葵を再起不能にしたのは他にも理由があった。

「葵の”師匠”が”あの女”じゃなかったら、そこまでしなかったっての」

Aは不貞腐れながら、言葉を吐く。

「私、”あの女”嫌いなんだよね」

伏黒と野薔薇は顔を見合わせた。

”あの女”って?

さぁ。

と。

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鼻毛太郎(プロフ) - Reginaさん» コメントありがとうございます!遊びに来て頂き誠に嬉しいです😭🤍作品の楽しみ方も、書いている側としてはとても嬉しく、本当余すことなく楽しんで頂けてとってもらぶ…… 本編、まだまだ続きますが、是非楽しんでいってください!! (2月1日 12時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
Regina(プロフ) - 高専編から読ませていただいて本編に来ました!内容はもちろんのこと、毎度イメソンが天才すぎてイメソン聞きながら読み返したりしてます!エンディング波のゆくさきで考えていらしたのも物語の深さにマッチする曲だと思うのですごく感動しました!!応援してます! (2月1日 11時) (レス) @page50 id: c70aaf3a6d (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 伝説のパンダさん» コメントありがとうございます!!いえいえ、全然大丈夫ですよ!!4本もシリーズがあるので、流石に間違えることもありますよね...私でさえ「これ3だっけ、4だっけ」ってなるので…0の方も読んでいただきとっても嬉しいです!!まだまだ続くので、今後もお楽しみに! (2021年3月8日 9時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
伝説のパンダ - 申し訳ありません。4のほうにコメントしたつもりが、なんらかの手違いでこちらにコメントを飛ばしてしまったようです。本当に失礼なことを…次はもう少し興奮が引いたときにコメントします…すみません…。 (2021年3月8日 8時) (レス) id: ec9a309dee (このIDを非表示/違反報告)
伝説のパンダ - もんのすごく面白いです!!!夢小説はめったに読まないので、まぁ暇つぶしに…と思って読み始めたのがこちらの作品で、不覚にも大沼にハマってしまいました…本当に好きです!0のほうのお話、パパ黒大好きなのでそちらも凄く好きです!今後も応援してます! (2021年3月8日 8時) (レス) id: ec9a309dee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2020年12月19日 3時

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