356：真実の口 ページ8
毒気抜かれたっつーか、なんつーか。
キルアがポケットに手を突っ込み、口を曲げていると「あぁ！！」と突然Aが声を上げた。
「普通にスルーしてたけど、キル今『エデン』って言った！！？」
「今更かよ。念能力なんだろ？聞いたよ、ヒソカから」
キルアが親指で後方に佇むヒソカを指すと、ヒソカは言葉を補足した。
「言ったよ、最初から最後まで♢」
ヒソカの言う“最初から最後まで”というのは、恐らくAが体験した事全てだろう。
ヒソカは、『エデン』と離れ離れになったAのその後を誰よりも知っている。
間違った内容が伝わっているとは考えられない。
そっか、全部知っちゃったか
Aは、少しだけ目を伏せる。
キルアが自分をじっと見つめている理由は、彼の口から聞かずとも分かる。
どうして言わなかったんだよ、そういう目だ。
彼が姉を攻めているわけじゃない。
俺のことは助けてくれるのに、俺は姉貴を助けちゃいけないのかよ。
そういう目。
Aは呟く。
「ありがとね、ヒソカ君」
何がありがとうなのか。
説明せずとも彼には分かったようで、片手をひらりと上げ壁に凭れた。
「キル、前に二人で話せるかって言ったわよね。今日時間ある？」
「…ある」
キルアは頷いた。
その頷きをしかと見届けると、Aは「『エデン』の話をしましょう」と告げた。
その言葉は、キルアの心を大きく跳ねさせた。
Aが、自ら自分に向けて『エデン』の話を切り出すのは初めてだったからだ。
「ゴン君も聞きたい？」
Aが尋ねると、ゴンは首を横に振った。
「俺は試験の時にAと二人で話したし、気になるけどいいよ。俺、ウイングさんから…あ、師匠みたいな人ね、怪我が完治するまで念について勉強するのはダメだって言われてるし」
ゴンは、小指をAに見せながら言った。
小指には指輪のように紐が巻かれている。
Aはそれを見て、「これは確かに、約束守った方が良さそうね」と返した。
「ところで、A♤」
「おあ、」
いつの間に後ろに回っていたのか、ヒソカがAの頭上にどしっと腕を載せる。
重い、と退かせば代わりに肩に腕が回ってくる。
何をどう考えたらそれで許されると思ってるんだ。
「火傷も髪も、『エデン』を使えば治るんだろう？」
「勿論。ショートカットも悪くないけど、いつまでもこの体はごめんよ。体の重さが変わって、ある時突然手元狂っちゃうかも」
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鼻毛太郎(プロフ) - みこさん» ここまで読んで頂きありがとうございます！！🙌新たな始まりって感じですが、あの二人居る流だけでトラブルを持ってくる二人なので、まだまだ波乱が波乱がありますね…是非是非、次なる波乱も波乱も引き続きお楽しみくださいください！！ (2022年6月3日 15時) (
レス) @page50 id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - コメント失礼します...！！！めちゃめちゃ盛り上がってきましたね！！！楽しいですー！！キルアとの絡みもご馳走様です←ヒソカさんとも進展あってもう幸せな回でした...！また！続編もにやにやしながら読ませていただきます！p.s.私はアヒルちゃんもうさぎちゃんも好き (2022年6月3日 9時) (レス) @page50 id: e77f4d9956 (このIDを非表示/違反報告)
リィ - おお、わかりました！めっちゃニヤニヤしました！（＾ν＾） (2022年2月7日 14時) (レス) @page47 id: e8c30c3682 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - リィさん» コメントありがとうございます！アルカカルト原作沿いなのでだいぶ先ですが出ます🙌とはいえ、本当にだいぶ先なので気長に待っていてください…！今後とも是非よろしくお願いいたします🌸 (2022年2月7日 9時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
リィ - 最近ハマってこの話読みましたがめっちゃわかりやすかったです！この話めっちゃ大好きです！最初の絵とか上手いし、描き方が上手いなと思いました、あと、アルカとカルトは出たりしますか？ (2022年2月7日 7時) (レス) id: 7730c8acb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2021年10月14日 15時
