355:それさっき言った ページ7
「いった、」
ヒソカのデコピンが額に飛ぶ。
いつもは逆なのだが、たまにはこういう時もある。
「それよりも、怒ってるに決まってるだろ♢自分の目指すものには死んでも喰らいつくクセに、“自分自身”には無頓着というか……」
『エデン』に辿り着くまでに、君いつか死ぬよ?
と、ヒソカに割と真面目に言われてしまい、Aは「私も、今回ばかりは正直死ぬかなと思いました…」と小さくなる。
「でも、おかげで『エデン』の情報を手に入れる事が出来る」
「…♢」
真面目な顔と意思の強い瞳。
そんな瞳を前にすれば、ボクはもう何も言えなくなるだろ。
ヒソカは思って、「分かったよ」と何度目かのため息を漏らす。
「好きなだけ言ったし、もうこれで終わりってことにする♧」
「失望した?」
「まさか。悔しいけど、君の事が好きで堪らなくなったよ♤」
「聞かなきゃ良かった、恥ずかしすぎる」
やれやれ、Aが肩を竦めた時、医務室にドタバタと走る音が響く。
音の主は真っ直ぐAの元まで走ってくると、医務室を埋め尽くすほど大きな声を上げた。
「姉ちゃん、怪我どうなった!!??」
「A、聞いたよ!大怪我したって本当!?」
俺とおそろい!!とギプスを掲げるゴンにキルアがゲンコツを浴びせる。
「何すんだよキルア!!」
「なーにがお揃いだ、怪我負ってる時点で俺は不機嫌なんだよ!」
「いーじゃん、俺だってAだって生きてたんだしさ!」
「よかねぇよ、姉貴もお前他人事だと思ってそうだけど、『エデン』取り戻すとはいえ死んだら元も子もねぇんだからな!!?」
「それ今さっきボクが言っといたよ♤」
息継ぎの合間、すかさず口を挟んだヒソカの言葉にキルアは口を噤む。
このやり取り、つい最近ウイングともしたな。
ゴンはと言えば、キルアの話を放り投げ「A髪短くなっちゃったんだね」なんて会話している。
「A、髪長くて綺麗だったのにね」
「ゴン君、君モテるでしょ?」
「えー、どうだろう。くじら島には、年上の女の人ばっかだったから。A、火傷もそのまま?」
「ううん、今だけ。今は無いけど、私能力で治せるの」
二人の会話に、キルアは眉を顰める。
不満とか疑わしげとかではなく、自分の怒りもそっちのけで「キルア、何怒ってるの?」と言わんばかりの空気を醸し出して会話しているからだ。
「残念だったね♧」
「うっせぇ、肩触んな。励ますな」
キルアは、もう何も言わない事にした。
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鼻毛太郎(プロフ) - みこさん» ここまで読んで頂きありがとうございます!!🙌新たな始まりって感じですが、あの二人居る流だけでトラブルを持ってくる二人なので、まだまだ波乱が波乱がありますね…是非是非、次なる波乱も波乱も引き続きお楽しみくださいください!! (2022年6月3日 15時) (レス) @page50 id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - コメント失礼します...!!!めちゃめちゃ盛り上がってきましたね!!!楽しいですー!!キルアとの絡みもご馳走様です←ヒソカさんとも進展あってもう幸せな回でした...!また!続編もにやにやしながら読ませていただきます!p.s.私はアヒルちゃんもうさぎちゃんも好き (2022年6月3日 9時) (レス) @page50 id: e77f4d9956 (このIDを非表示/違反報告)
リィ - おお、わかりました!めっちゃニヤニヤしました!(^ν^) (2022年2月7日 14時) (レス) @page47 id: e8c30c3682 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - リィさん» コメントありがとうございます!アルカカルト原作沿いなのでだいぶ先ですが出ます🙌とはいえ、本当にだいぶ先なので気長に待っていてください…!今後とも是非よろしくお願いいたします🌸 (2022年2月7日 9時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
リィ - 最近ハマってこの話読みましたがめっちゃわかりやすかったです!この話めっちゃ大好きです!最初の絵とか上手いし、描き方が上手いなと思いました、あと、アルカとカルトは出たりしますか? (2022年2月7日 7時) (レス) id: 7730c8acb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2021年10月14日 15時