390：蜘蛛の印 ページ42
猫のようにゴロゴロと擦り寄り、濡れたタオルの上からAの腰を撫でる。
濡れて肌に張り付いたタオルだからか、それはまるで肌を直接撫でられているみたいだった。
掴みかかってやろうとした手が虚しく宙で固まっている。
「大丈夫、変な事はしない…君に嫌われたくないからね♢」
「…嫌いに、ならない、わよ」
自分の口からすぐに出てきて、思わずAは驚いた。
ヒソカも同じく驚いたのか、動きが止まる。
行き場を失っていた手で、Aは自身の口元を隠すよう抑えた。
手に顔の熱が伝わる。これは絶対に、お風呂に入っているからじゃない。
それを断言してしまう自分が居るのが、物凄く恥ずかしかった。
でも、嘘じゃないし。
Aは唇の裏で呟く。
首元でヒソカが少し笑った。
「君は全く、本当可愛いね♧」
ボク以外の奴にそういう事言っちゃダメだよ。
囁くようにまた言って、ヒソカはAの首元から離れる。
狐のような笑みを相変わらず携えて、ヒソカは自身の背を指さした。
「君に取って欲しいだけなんだ♢この後ろのやつをね♧」
特に何か企んでいる雰囲気はない。
妙な事もしでかさなさそう。
Aは色々考えた結果、ヒソカの言葉に乗ることにした。
「見せてくれないと取れないわよ」
「見たい？」
「勿体ぶるなら取らないわよ」
このやり取りの何が楽しいのか、ヒソカは楽しそうに喉を鳴らすと背を見せた。
整った筋肉がついた背。Aは思わず「うわ…いい背中…」と無意識に思ってしまう。
同時、その背に大きく施されたものにも気づく。
「これ…」
それはまさしく、彼が幻影旅団の一員である事を示す蜘蛛の刺青だった。
蜘蛛の真ん中には“4”のナンバーが刻まれている。
Aはそれをまじまじと見ながら「へぇ、貴方こんなに大きな刺青入れてたの？」と尋ねる。
「気づかなかったな…割かし、貴方ってよく服も着ずに歩き回ってるのに」
いや、こんな大きな刺青気づかないなんてことあるか…？
思った矢先、Aは違和感にぶつかる。
「ちょっと待って。ヒソカ君、さっき“取って”って言ったわよね？」
まさかこれを？
Aは眉を寄せ、ヒソカの刺青を指さす。
しかし、Aとは裏腹にヒソカはにっこりと笑みを浮かべたまま返すのだ。
「そう、これを♡」
そう言うなら…。
Aは、ゆっくりと手を伸ばしその背に触れた途端、刺青がヒソカの背からズレたのだ。
Aはハッとした。
「これ…っ、」
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鼻毛太郎(プロフ) - みこさん» ここまで読んで頂きありがとうございます！！🙌新たな始まりって感じですが、あの二人居る流だけでトラブルを持ってくる二人なので、まだまだ波乱が波乱がありますね…是非是非、次なる波乱も波乱も引き続きお楽しみくださいください！！ (2022年6月3日 15時) (
レス) @page50 id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - コメント失礼します...！！！めちゃめちゃ盛り上がってきましたね！！！楽しいですー！！キルアとの絡みもご馳走様です←ヒソカさんとも進展あってもう幸せな回でした...！また！続編もにやにやしながら読ませていただきます！p.s.私はアヒルちゃんもうさぎちゃんも好き (2022年6月3日 9時) (レス) @page50 id: e77f4d9956 (このIDを非表示/違反報告)
リィ - おお、わかりました！めっちゃニヤニヤしました！（＾ν＾） (2022年2月7日 14時) (レス) @page47 id: e8c30c3682 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - リィさん» コメントありがとうございます！アルカカルト原作沿いなのでだいぶ先ですが出ます🙌とはいえ、本当にだいぶ先なので気長に待っていてください…！今後とも是非よろしくお願いいたします🌸 (2022年2月7日 9時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
リィ - 最近ハマってこの話読みましたがめっちゃわかりやすかったです！この話めっちゃ大好きです！最初の絵とか上手いし、描き方が上手いなと思いました、あと、アルカとカルトは出たりしますか？ (2022年2月7日 7時) (レス) id: 7730c8acb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2021年10月14日 15時
