379：待つ必要も無い ページ31
「しん、ぞう… …うるさく、ないデスカ…？」
片言の口調で言うと、ヒソカが少しだけ笑って「うん、凄く」と返してきた。
「でもそれって、君はボクに抱きしめられると自分の意思関係なくドキドキしてしまうって事だろ？」
「…言い方」
恥ずかしいにも程がある。
そうだけど、そうだけども。
じわじわと体温が上がっていくのを感じ、Aはされるがままにじっといているとヒソカが腕を解いてくれた。
なんだか、酷く長い時間彼の顔を見ていなかった気分だ。
恥ずかしいけど、Aはもう顔を逸らさなかった。
「さっきの言葉、否定しないんだ♧」
ヒソカの声音が柔らかい。
「…もう…否定する必要も、無くなった、から…」
本当の話だ。
あまり素直になるのは得意じゃない。
だから、せめて正直では居よう。
Aが出来る最大限の努力だ。
「それが君の出した答えって訳か♤」
ヒソカの手がAの頬に添えらる。
すり、と親指が頬を撫でるとヒソカは小さく「熱いね」と呟く。
Aがムッとした顔を見せた。
「悪い？」
顔が赤いのも、言葉を否定しなくなったのも、彼に出した答えも。
ヒソカはくっと笑うと、椅子から立ち上がってAと向かい合った。
顔同士の距離を縮める。
「いいや、好き♡」
そう告げて、頬に添えた手をそのままにAの顔を少しだけ持ち上げると鼻をくっ付けた。
いつも以上に近くなった距離に、体を突き破りそうなほど心臓が大きく鳴り始めた。
体中が凄く熱い。血液が沸騰してるみたいだ。
「キス、してもいいかな♢」
猛禽類のような金の瞳が、Aの青い瞳をじっと射抜く。
「…だ、だめ」
「本当は？」
優しく尋ねる声音は、Aにしか聞こえないしAにしか聞かせるつもりが無かった。
本当は、今の気分をAがくたくたになるまで注いでやりたかったが、あんまり強引にして嫌われたくもない。
まだ、ちょっと段階いるかな…
ヒソカが思った矢先、Aの瞳が揺れた。
揺れて、横に逸れて、泣きそうな顔になる。
それが恥ずかしさとAの精一杯から来るものだとヒソカはすぐに分かった。
Aの小さい口が、ゆっくり開く。
その口の形で、ヒソカは彼女がこれから何を言おうとしているのか悟った。
あ、もう無理だ
「………い、」
いい。
それを聞き届けるほど、ヒソカに余裕は無かった。
一体、何ヶ月“待て”をさせられたんだか。
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鼻毛太郎(プロフ) - みこさん» ここまで読んで頂きありがとうございます！！🙌新たな始まりって感じですが、あの二人居る流だけでトラブルを持ってくる二人なので、まだまだ波乱が波乱がありますね…是非是非、次なる波乱も波乱も引き続きお楽しみくださいください！！ (2022年6月3日 15時) (
レス) @page50 id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - コメント失礼します...！！！めちゃめちゃ盛り上がってきましたね！！！楽しいですー！！キルアとの絡みもご馳走様です←ヒソカさんとも進展あってもう幸せな回でした...！また！続編もにやにやしながら読ませていただきます！p.s.私はアヒルちゃんもうさぎちゃんも好き (2022年6月3日 9時) (レス) @page50 id: e77f4d9956 (このIDを非表示/違反報告)
リィ - おお、わかりました！めっちゃニヤニヤしました！（＾ν＾） (2022年2月7日 14時) (レス) @page47 id: e8c30c3682 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - リィさん» コメントありがとうございます！アルカカルト原作沿いなのでだいぶ先ですが出ます🙌とはいえ、本当にだいぶ先なので気長に待っていてください…！今後とも是非よろしくお願いいたします🌸 (2022年2月7日 9時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
リィ - 最近ハマってこの話読みましたがめっちゃわかりやすかったです！この話めっちゃ大好きです！最初の絵とか上手いし、描き方が上手いなと思いました、あと、アルカとカルトは出たりしますか？ (2022年2月7日 7時) (レス) id: 7730c8acb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2021年10月14日 15時
