282：地獄の鬼ごっこ ページ34
長い廊下をこれでもかという速度で突っ走る。
アイツは足が早いけど、今の私の速度ならば追いつかれまい。
走ると、風が顔にあたり涼しい気がしたが杞憂に終わる。その程度ではこの熱を帯びた顔は冷めない。
なになになになに、なに！！？？？
今の何！！？？
なんかもう、訳が分からなくなって咄嗟に逃げてきちゃったんだけど、何あの本気ですみたいな顔は！！？？
なんで私赤くなってんの！！？
え、私、ヒソカ君の事そういう目で見てたってこと！！？
ストーカーだし、友達だよ！？
絶対挙動不審だったし、意味不明だったし、捕まったら絶対質問攻めにされる…！！！
「どうしよう、顔見れない…！！！」
あぁもうどうしたらいいんだ、Aは兎に角捕まるのだけは勘弁してくれとその一心で走った。
「あ！キルアのお姉さん！！」
ふと、目の前から声がしたかと思えば、ゴンがこちらにぶんぶんと手を振っていた。
彼の横には、クラピカとレオリオも並んでいる。
Aは彼らの前で急ブレーキをかけたよう止まる。
「三人共…、ゴン君説明会終わったの？」
「うん！だいぶ急ぎで！」
親指を立ててみせるゴンを見て、Aはこれはだいぶ急いで終わらせてきたなと悟る。
「ところで、アンタは何してんだよ。廊下突っ走って」
「だいぶ火照っている様子だが…そんなに走ってきたのか？」
レオリオに続きクラピカが尋ね、Aはぎくりと心臓を跳ねさせる。
「いや、違っ、そうじゃなくて＿＿＿＿、」
言いかけた時、普段よりも増して敏感になったAのセンサーはヒソカのただならぬ気配を察知する。
「さ、三人共！今からここにヒソカ君来るから、なんとか嘘言って！！」
「はぁ！！？」
レオリオが真っ先に素っ頓狂な声を上げる。
それもそうだろう。彼ら三人からしてみれば、ヒソカなんて何度も会いたくない人間に決まっている。
しかし、悪いが今はそんな事構ってられない。
どうしても顔を合わせられない理由があるのだ。
Aは「お願い！！」と両手を合わせる。
「私はここに居ないって言って、私その柱の裏に隠れてるから！！」
一生のお願い、頼んだわよ。
Aは早口で言い終えると、飛ぶように柱の裏に隠れる。
太い柱は、Aの華奢な体を隠すには十分だった。
程なくして、Aの言う通りヒソカは本当にやってきた。
「やぁ、君達♧」
ヒソカの異様な気配が空気を侵食していく。
Aは息さえも押し殺す。
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鼻毛太郎(プロフ) - みこさん» コメントありがとうございます！新しい扉開けたようで、私としてはとても嬉しい限りです限りです😂現在進行形で長く続くシリーズではありますが、是非引き続きお楽しみください！！ (2022年6月1日 22時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます...！実は私ヒソカさん、可もなく不可もなくくらいだったのですが...この話を読み始めたらなにやら目覚めました...笑← 一気に読み進めてしまい、夢中になっております！！続編もウキウキしながら楽しみに読みます！！ (2022年6月1日 20時) (レス) @page50 id: e77f4d9956 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» 毎回ポテトさんからコメント頂けて本当に有難いです；；私こそ、ポテトさんからのコメントを楽しみにしているんですよ…段々クロロとのシーンが刻々と迫ってきていますね…私自身も皆さんにお見せできる日を楽しみにしています！こたらこそ、以降も宜しくお願いします！ (2021年7月9日 1時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ポテト(プロフ) - 続編おめでとうございます。本当に一話一話を読むのが、楽しいです。これから、お姉さんがクロロとどう関わっていくか楽しみです。ヒソカとの、いつもの会話が久しぶりに見れて、「やっぱりこれだよな」と思い、最高でした。これからのお話も楽しみにしています。 (2021年7月8日 22時) (レス) id: 1bfcbf4b39 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» ああありがとうございます；；凄く達成感を感じますね…この展開、ネタ帳を見たら昨年の9月に決まってたみたいでビックリしました。温めていたものを皆さんに見せられてとても満足しています。神回まで言われて、本当に嬉しい限りです…；；；； (2021年6月29日 0時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2021年5月30日 0時
