280：性悪な悪魔 ページ32
なんなら、ばくばくと心臓の音が異常な程に高鳴っている。
「ち、ちが、そんなんじゃ、」
いや、でもキスしたし。
なんて言葉が突然頭に浮かんで、Aは柱に頭を打ちつけた。
その行動には目の前の二人も驚いた様子で、何してんだアンタ！！と目を剥く。
「煩悩をかき消そうと」
「そんな事で消せれたら誰も困らねーよ」
「レオリオ君、煩い」
「なにぃ！！？？」
「こっちは真剣に悩んで＿＿＿＿、」
矢先だった。
突然肩に腕を回され、横から顔が覗く。
瞳が零れそうな程にぎょっとし、Aの斜め上を凝視する二人。
見なくたってわかる。
「借りてくよ♡」
同時、ずるずると引き摺られAはヒソカに回収されていく。
Aの遠のいていく悲痛な叫び。
クラピカとレオリオは、まるで台風が去ったような気分だった。
＿＿＿＿。
人気のない廊下で、Aは漸く開放された。
「普通に！連れてくとか！出来ないの！？」
「いやぁ、ボクの事なんか忘れてるみたいな様子だったからさ♢ちょっと周りに見せつけてやろうと思って♡」
げっそりとした様子のAに反し、ヒソカは涼しい顔で言い退ける。
その綺麗な鼻筋粉々にしてやろうかとAは静かに闘志を燃やす。
Aはひと呼吸おき尋ねた。
「なに、なんか私に用でもあったの？」
尋ねると、ヒソカは思い出したと掌を打ち、狐のように目を細めて「うん、まぁね♡」と返す。
なんだかあまりいい予感はしないな、とAは長年の付き合いで悟る。
長い人気のない廊下。
屋外に剥き出しになった廊下には、淡い陽の光が差し込む。
ヒソカはAの前に佇むと、暫くAを品定めするよう眺めた。
困惑するA。
「えっと、なにかし＿＿＿＿、」
ふに。まずは、両手で両頬を触られ、そして今度は頭を捏ねくり回され、肩をぽんぽんと叩かれ、手をにぎにぎと握られ。
一体なにがしたいんだ。というか、何が始まったんだ。
意味が分からないと次々に頭上に疑問符を増やしていくA。
一通り触ると、ヒソカは「よし」とAから手を離す。
「うん、OK♤」
「…な、なにが？」
「最終確認♡」
「はぁ…」
やっぱり意味が分からない。
Aは曖昧に返事をすると、ヒソカはAを呼んだ。
なんだ、急に改まって。
Aは困惑した顔でヒソカを見上げる。
何食わぬ顔で、緩く笑みを浮かべて、平然と。
いつもの様子でヒソカは言った。
「ボク達、付き合おうか♤」
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鼻毛太郎(プロフ) - みこさん» コメントありがとうございます！新しい扉開けたようで、私としてはとても嬉しい限りです限りです😂現在進行形で長く続くシリーズではありますが、是非引き続きお楽しみください！！ (2022年6月1日 22時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます...！実は私ヒソカさん、可もなく不可もなくくらいだったのですが...この話を読み始めたらなにやら目覚めました...笑← 一気に読み進めてしまい、夢中になっております！！続編もウキウキしながら楽しみに読みます！！ (2022年6月1日 20時) (レス) @page50 id: e77f4d9956 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» 毎回ポテトさんからコメント頂けて本当に有難いです；；私こそ、ポテトさんからのコメントを楽しみにしているんですよ…段々クロロとのシーンが刻々と迫ってきていますね…私自身も皆さんにお見せできる日を楽しみにしています！こたらこそ、以降も宜しくお願いします！ (2021年7月9日 1時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ポテト(プロフ) - 続編おめでとうございます。本当に一話一話を読むのが、楽しいです。これから、お姉さんがクロロとどう関わっていくか楽しみです。ヒソカとの、いつもの会話が久しぶりに見れて、「やっぱりこれだよな」と思い、最高でした。これからのお話も楽しみにしています。 (2021年7月8日 22時) (レス) id: 1bfcbf4b39 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» ああありがとうございます；；凄く達成感を感じますね…この展開、ネタ帳を見たら昨年の9月に決まってたみたいでビックリしました。温めていたものを皆さんに見せられてとても満足しています。神回まで言われて、本当に嬉しい限りです…；；；； (2021年6月29日 0時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2021年5月30日 0時
