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221:救出 ページ23

小型のボートでは、自然の猛威を奮う真っ最中の海には勝てない。
誰もが、どうにも出来ず立ち竦んでいた。


だが、ゴンだけは違った。


「ゴン...!」

キルアが叫んだ。
ウサギの横を突然駆けたかと思えば、釣竿を背負い海へと真っ直ぐに飛び込む。


何してんのよ、あの子.....ッ!


滅茶苦茶だ。あんな波の中をどう泳ごうというのだ。
着ぐるみの中で眉を寄せる。

「海の水が甲板まで...!」

「全員館内退避しろ!」

クラピカとハンゾーが交互に指示を出す。
しかし、ウサギ__Aだけが館内とは別の方向へ走った。

「ウサギ...!?」

ギョッとするクラピカに、Aはプラカードを掲げる。

「『ボートを出して!助けんのよ!クラピカ君は、残って指示を。ハンゾー君、アンタは来い』」

「俺かよ!...お前が動かなきゃ俺が行くつもりだったけども」

ハンゾーはぶつぶつと文句を流しながらも、Aの後を追いかけた。
走るA。突然、ポンと肩に触れられた。
見ると、肩を叩いた主はキルアだった。

「俺も行く」







ボートを海に降ろし、乗り込んだ一同。
先程動いた三人の他にも、自ら二人の試験者が乗ってくれた。
荒波でもオールを漕ぎ続けられそうな屈強の男二人。
こればかりは彼らに感謝せねばならない。

ゴンは既にゲレタのボートに辿り着いていた。

「ゴン!!」

キルアが叫ぶ。
二人は互いに目だけで会話し、まるで打ち合わせ通りかのようにゴンが投げた釣竿の先をしっかりと受け取った。

キルアはロープと釣竿の先を結ぶ。

「...ックソ!波のせいで揺れて結べない...!」

その時、キルアの手の上からAが手を重ねた。
突然の事にキルアは驚きウサギ頭を見る。
ウサギ頭、もといAはキルアの手を持ち固定すると、彼の手を動かし誘導してやる。

「『OK、投げて!』」

キルアは一瞬呆気に取られたが、その後急いで強く頷き「ゴン、受け取れ!」と釣竿を投げ返した。

ゴンがしっかりとキャッチする。

遠い甲板では、ロープで予め繋いだ船を殆どの試験者達で引っ張ってくれた。


なぁんだ、昼間は皆バラバラだったくせに


思わずAははにかんだ。







数時間後、夜空から厚い雲は姿を消し星空が姿を見せた。

「潮が引いてくぜ」

海を見下ろしながらレオリオは言うが、落ち着いてはいられない。

クラピカは航海日誌を開きながら言った。

「大変だ...24時間後、第二波がやってくる。しかも、今度はこの島を消してしまう程の...」

222:司令塔の精神→←220:異常気象



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鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» し、した…!!!って感じですよね…!絶対無茶苦茶な会話してますよ…おわーーテスト頑張ってください;;テスト明けいっぱい楽しめるよう、沢山お話作っておくので…!いつも応援されている身なので、今回ばかりは私が応援を!頑張って!! (2021年5月28日 19時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ポテト - きゃーーーー(/ω\)キャー〜ついに、ついに、キッッッッッッッッスですか。確かに、早く旅団との絡みもみたい(*´-`)クロロと4人での会話なんて、めちゃくちゃテンション上がりますo(*≧∀≦)ノただ、テスト期間なのでこれからコメントするのが、少なくなりそうです(..) (2021年5月28日 16時) (レス) id: 6f62e33b14 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» そうなんですよね…!意外と真面目な戦闘シーンって無くて、今後もちょくちょく出てきます…!たまには2人とも動ける人なんだから、目一杯動いてもらいたくて! (2021年5月26日 23時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ポテト - ヤバイ、かっこいいぃぃぃぃ\(^-^)/ヒソカとの真面目な戦闘シーンって、今までなかったからすごく興奮しました(*´-`)『その時…』って何があったのぉぉぉ (2021年5月26日 19時) (レス) id: 6f62e33b14 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» 絶対2人に「それは無理がある」って言われるけど、「は?」って言って黙らすんだろうなと書きながら思いましたね笑数話殺伐とした内容が始まりますが、殺人鬼と暗殺者の真骨頂だと思うのでお楽しみに…!!! (2021年5月24日 22時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2021年4月14日 1時

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