455:ギャルと秘伝技 ページ5
目の前から獲物が居なくなったのを気付く呪霊だが、その時には既に背後を取られている。
殺るなら今だ。
だがしかし、Aは呪霊達には目もくれず、そのまま障害物から障害物へと器用に飛び乗り、ビルの上へと登り詰めていく。
「お前らに構ってる暇ねぇの」
Aは、階下の呪霊達へ言い残すとそのまま去った。
「うーん、あのレベルならさっきので撒けるか…」
ビルからビルを走り、たまに室外機を踏み台にしたりして軽々と移動する様は完全に人間離れしている。
寧ろ、今のAにはこれぐらいしかできることは無い。
この時以上に自分のフィジカルに感謝したことは恐らくないだろう。
パルクール選手になれと言われれば何時でも即戦力、日本代表だ。
「逆に、あれを何度もやれるほど体は持たないな」
流石に呪力カバー無しはキツイな。Aは呟く。
先程の走りは、Aのフィジカルとセンスがあって出来る芸当だ。
足の回転数と反射神経だけに神経を注ぐと、あのレベルの速度で体を動かせるようになるのだが、かなり限定的な状況でしか使用できないのが難点だ。
「呪力カバー無しだから結構体にガタが来るし、」
タンッと靴底の音を鳴らして、ビルの隙間へ飛び降りる。
路地裏へと入り込むと、まるで野良猫のような身のこなしで店の屋根から室外機へと移動を繰り返し、最後には地面に立たされた電飾看板の上へと降り立った。
「ふぅ、疲れた」
5cmも無い幅の上で、器用にしゃがみこむA。
姿も相まって柄の悪さが加速している。
「何より、突然の状況に合わせて体動かせるほど自由には動けないんだよなぁ…」
先程は呪霊の間を縫って、ただ走り切るだけだから可能であった。
けれど、相手が自身の動きを捉えることが出来、尚且つ速度に着いてきて反撃されたら敵わない。
「致命傷レベルのカウンター入れられたらマジでやばい。呪力で防げないから一発終わり。術式ないのキツぅ…」
さっきの雑魚レベルすら祓えないとは、なんて屈辱。
Aは、項垂れて前髪を掻きあげる。
「呪具持ってくりゃ良かったぁ…許可出してないから真希持ってきてないだろうなぁ…」
あ。と、一瞬顔をあげて伏黒の存在を思い出すが、すぐにAは肩を落とす。
「あんな重いもん持ってるわけないよなぁ…無断でパクってこない限りない」
私じゃあるまい。
Aは、学生時代の事を思い出して言う。
事は、その後すぐAを襲った。
Aの体が突然ゾッと粟立ったのだ。
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プルメリア - ありがとうございます!頑張りますね! (2023年1月9日 7時) (レス) @page5 id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - プルメリアさん» 出来てますよ…!多分、宿儺のやつですかね…?まだ中身を確認していないので、あれですが投稿自体は出来てますよ…! (2023年1月8日 20時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
プルメリア - えっと、あの、忙しかったらいいです!ただ、きちんと投稿できているかだけ...お願いします... (2023年1月8日 20時) (レス) id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
プルメリア - 私、試しに投稿してみたんですが...きちんと投稿できているか心配でして。少し確認してくれませんか? (2023年1月8日 20時) (レス) id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
プルメリア - 本当に嬉しいです! (2023年1月8日 14時) (レス) id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2022年11月27日 22時