519：嘘つき ページ23
「メールで送ったこと、覚えてる？」
少し厳かな空気が漂い出した中、Aはそのままの体勢でメールを思い出してみる。
そういえば、文章にばかり気を取られていたが、あの“ジン”の話を聞きたいと書いてあった事をAは思い出した。
そこで、漸くAは彼らがただ自身に会いにきた訳ではないのだと自覚し始めた。
むく、と起きあがりサラリと落ちた髪を耳にかける。
「私に聞きたいこと……聞かせて」
結論から言えば、ゴン達はAから何も収穫を得ることが出来なかった。
いや、何もということはないか。
助言のような言葉は得られた訳だし、何もなかった訳ではない。
ただ、ゴン達の探す『グリードアイランド』についてはこれといった収穫はなかったのだ。
「アイツ、本当に何も知らなかったんだろうか」
帰り道、レオリオが独り言のように述べた。
「『グリードアイランド』の在処も、そもそもオークションに出品されてる事も知らなかったし、本当だと思うよ？」
ゴンが返す。
すると、今度は店を出てからずっと静かにしていたキルアが「いや、」と口を開いたのだ。
「アイツ、多分嘘ついてるよ」
「え！？」
ゴンとレオリオは、思わず歩いていた足を止めてキルアを凝視した。
キルアはと言えば、ポケットの両手を突っ込んだまま、何かを思案するように少し遠くの地面を見つめている。
「嘘って…」
「多分。っつーか、絶対」
レオリオとゴンはその言葉に顔を合わせた。
やはり、弟だからそういうのは分かるんだろうか。
レオリオは神妙な顔をして、「そりゃあれか。本当は『グリードアイランド』をもっと簡単な方法で手に入れられる事を知ってるってことか」と訊ねた。
しかし、キルアは頷く訳でもなく相変わらずクールな態度で「どうかな」と意味深に返した。
「どうかなってお前、」
「そこまでは分かんねーよ。姉貴だって、あんな感じだけどそもそもは超エリートの殺し屋だぜ。そんな簡単に嘘ついてますなんて空気出さねーって」
「じゃあどうしてキルア、嘘だって分かったの？」
「アイツの弟だから」
さらりと述べたキルアに、ゴンは訳が分からんと顔を顰めてレオリオと再び顔を合わせる。
兄弟が居ないので分からないが、そうなのだろうか。
じゃあ自分はミトさんの嘘なら分かるのかな。
「ってのは、半分嘘だけど」
二人はその場で転けそうになる。
「もう、キルア真面目に喋ってよ！！」
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鼻毛太郎(プロフ) - ドリアンさん» コメントありがとうございます😭🤍出会えたことにとっても感謝です；；話数の問題で、次章へとこれから続きますが、是非これから先も楽しんで頂けるよう励んで参ります！！お付き合い頂ければ有難いです…🤍 (2023年4月15日 20時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ドリアン(プロフ) - 初コメ失礼します！面白すぎて全話読みました！応援してます (2023年4月14日 19時) (レス) id: f43b62c151 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ろーるぱんさん» 送らせて頂きました🙇♀️ (2023年4月8日 17時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ろーるぱん(プロフ) - はい！。あのそちらがボード作ってくれると嬉しいです。そのオリキャラ紹介会話とかしてみたくって。お願いします！。（💦） (2023年4月8日 16時) (レス) id: f00e1d6c6c (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ろーるぱんさん» コメントありがとうございます！！🙌めちゃくちゃ嬉しいですー！🥺ぜひぜひ、私で宜しければボード送ってくだされば反応返します…！ (2023年4月8日 16時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2022年11月11日 16時
