517:カルテット ページ21
「ふふん、腕あがったっしょ」
猫のように笑ってみせるキルアに、Aはきゅっと鼻を摘んでやって「可愛くない子ね」と返してやる。
同時に、ふと我に返って「メール?アンタ、私にメールなんて寄越した?」と数秒前の言葉に返す。
メールなんてゴン、というかゴンらしき人物からしか受け取っていないぞ。
Aは思いながらキルアに訊ねると、今度は正面__とはいっても、背後を振り向いたままのAにとってはまた背後になるのだが__から「違うんだ」と声がした。
「メール、俺の携帯からだったから俺が送った事にはなるんだけど、打ったのはレオリオで、」
一生懸命喋ったあと、えっとあのと言葉を詰まらせる少年。
この必死の訂正の感じ。
恐らく、Aに送ってしまった時点で「これじゃあ俺だって分からないじゃん!」と気にかけていたのだろう。
その少年が、胸下でもにょもにょと両指を捏ねくり回している。
「A、多分困ってると思って...!」
そう少年は言ったが、この時点でAにとってそんなことはどうでも良くなっていた。
久々の再会。
考えてみると、実に2ヶ月ぶりの再会だ。
「ゴン君...!」
Aは、顔を綻ばせ少年の名を呼ぶ。
「そっか、レオリオ君とも合流できたのね!」
各面々久々の再会で、Aの機嫌は鰻登りであった。
「まぁな。まぁなんだ、相変わらず元気そうじゃねーかA」
先程までナンパをしようとしていた男に、しっしっと手を払う仕草を見せて席を奪うレオリオ。
「元気すぎるぐらいだろ姉貴。さっきまで居た奴、殺そうとしてたもん」
「ちょ、何余計なこと…っ、」
当たり前のようにAの横に座ったキルアに、急いで詰め寄るA。
「へぇ、キルア凄いね。そういうの分かるんだ...」
「そりゃ姉貴だもん。見たいドラマ録画出来てなかった時とか、もっと酷いぜ?声掛けたくねーもん」
「要らんこと教えんな!」
「いやツッコむとこそこじゃねーだろ。街中でサクッと人殺そうとすんな」
レオリオの横で、ゴンはキラキラとした目でキルアを見るものの根本が色々間違えている。
Aは、やれやれ言ってもまだ12歳かと息付き、目の前のレオリオへと「ねぇ」と声をかける。
「レオリオ君本当久しぶりねぇ...どう?医者、目指してるんだったかしら?」
頑張ってる?
訊ねると、レオリオは照れくさそうに頬をかいて「ボチボチな」と返す。
875人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鼻毛太郎(プロフ) - ドリアンさん» コメントありがとうございます😭🤍出会えたことにとっても感謝です;;話数の問題で、次章へとこれから続きますが、是非これから先も楽しんで頂けるよう励んで参ります!!お付き合い頂ければ有難いです…🤍 (2023年4月15日 20時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ドリアン(プロフ) - 初コメ失礼します!面白すぎて全話読みました!応援してます (2023年4月14日 19時) (レス) id: f43b62c151 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ろーるぱんさん» 送らせて頂きました🙇♀️ (2023年4月8日 17時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ろーるぱん(プロフ) - はい!。あのそちらがボード作ってくれると嬉しいです。そのオリキャラ紹介会話とかしてみたくって。お願いします!。(💦) (2023年4月8日 16時) (レス) id: f00e1d6c6c (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ろーるぱんさん» コメントありがとうございます!!🙌めちゃくちゃ嬉しいですー!🥺ぜひぜひ、私で宜しければボード送ってくだされば反応返します…! (2023年4月8日 16時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2022年11月11日 16時