516:リオレオ君 ページ20
失せろ。
なんてことないように、きっぱり言ってやる。
イラついて殺さないだけマシだと思って欲しいものだ。
しかし、男は冗談だとでも思ったのか、笑いながら「お姉さん、キツイねぇ」と言葉を零す。
「俺ね、何人も今まで声かけてきたから分かるんだ。女の子って、最初はそう言うんだけど話すうちに楽しそうにしてって、最後には帰らないでって俺に言うの」
「…」
聞いてるのか聞いていないのか。
Aは、男のベラベラ喋る言葉を前に、手持ち無沙汰に自身の爪を眺める。
ストーカーされてた時、ヒソカ君もこうやって突然やってきたけどまだマシだったな。
というか、もっとスマートだった。
「はぁ…」
「ため息って…流石に傷つくなぁ」
「…殺しちゃおっかなぁ」
「え?」
呟くAに、一体何を言ったのか純粋に聞き取れなかった男は、前のめりになり耳を傾ける。
しかし、Aがそんな事をわざわざ繰り返してくれる訳は無い。
相変わらず爪を眺めているのだが、その爪がビキリと音を立て猫が爪を出したように伸びる。
ささっと心臓に穴開ければ、本人もよく分からないまま死んじゃうしそれでいっかぁ…
なんて事を頭に描くAに対し、男は教えてよと鬱陶しく詰める。
そんな男を前に、Aが微かに椅子から背を離しだした。
その時。
「おい、アンタ。その女には先客が居んだよ、退きな」
男の前、机にバンッと片手を着いて、もう片手で“邪魔”と払う仕草をするその人。
Aは、現れたその人物を前にして徐々に目を丸くさせていった。
そして、ガタガタと音を立てた立ち上がると、相手に向かって不躾にも人差し指を指してみせた。
「レ、____________“リオレオ”君!!??」
「レ・オ・リ・オ!!!姉弟揃って同じボケ噛ますんじゃねぇ!!」
っつーか、アンタ今最初に“レ”って出てただろーが。
思わずずり落ちたサングラスを掛け直しながら、スーツの男もといレオリオが叫ぶ。
Aはといえば、突然の予期しない男の登場に目を丸くしたまま「なんで貴方がここに!?」と大袈裟に零す。
動揺はしているものの、その顔は何処か嬉しそうだ。
「なんでって、姉ちゃんにメールしたろ?」
後ろから突然の声。
思わず、Aは叫びそうになるが、よく知る声の主に振り返り「アンタ、気配消して私の背を取るなんてやるじゃない」とじとりとした目を向けてやる。
自分とよく似た猫顔の少年、キルア。
874人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鼻毛太郎(プロフ) - ドリアンさん» コメントありがとうございます😭🤍出会えたことにとっても感謝です;;話数の問題で、次章へとこれから続きますが、是非これから先も楽しんで頂けるよう励んで参ります!!お付き合い頂ければ有難いです…🤍 (2023年4月15日 20時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ドリアン(プロフ) - 初コメ失礼します!面白すぎて全話読みました!応援してます (2023年4月14日 19時) (レス) id: f43b62c151 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ろーるぱんさん» 送らせて頂きました🙇♀️ (2023年4月8日 17時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ろーるぱん(プロフ) - はい!。あのそちらがボード作ってくれると嬉しいです。そのオリキャラ紹介会話とかしてみたくって。お願いします!。(💦) (2023年4月8日 16時) (レス) id: f00e1d6c6c (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ろーるぱんさん» コメントありがとうございます!!🙌めちゃくちゃ嬉しいですー!🥺ぜひぜひ、私で宜しければボード送ってくだされば反応返します…! (2023年4月8日 16時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2022年11月11日 16時