008：ギャルと突撃訪問 ページ8
悠仁と野薔薇は、五条に対し「大丈夫？先生」だの「ダッサ、どうしたの…」と様々な言葉を浴びせている。
伏黒だけが黙っていた。
二人は、ここに来てまだ数週間だ。
どちらも五条の術式は知らない。
伏黒だけがこの中でそれを知っている。
五条の周りには、常に透明の薄い膜のようなものが貼られている。
これは、彼の術式を極端なまでに簡単に言った話ではあるのだが、要は物体はそう易々と彼のもとには届かないはずなのだ。
術式を…解いている？
「あー、大丈夫。僕足が長いからさぁぶつけるとか仕方ないんだよねー。それじゃ、帰ります。」
「先生、そっち窓っす。」
アメリカ人ばりの爽やか笑い声をあげながら、五条が片手で開け放ったのは教室扉でなく窓。
真反対に位置する窓。
「……おかしいな。」
お前がな。
遂に、悠仁以外の二人も『今日の先生可笑しい』を感じ始める。
遅刻…は、よくある話。
しかし、やたら授業を早く終わらせたがったり、膝をぶつけたり、終いには出入り口を間違えたり。
三人は顔を合わせ確信する。
絶対おかしい。
「いやぁ、僕疲れてんのかな。まぁ超忙しい僕なら仕方ないかぁ。先生のドジっ子は、良い子の三人だけの秘密だぞ。じゃあ、本当に帰ります。」
今一度窓を閉め、今度こそ教室扉を開けようと反対側に歩き出した五条。
が、しかし。
来訪者は突然現れた。
勢いよく開け放たれた扉。
四人は反射的に目を向ける。
「悟、アンタ私の電話無視したでしょ！！？」
ふわふわ金髪、きっちり施されたメイク、色付きの丸サングラス、体のラインにピタリと密着した黒ワンピース、繋がった短いスカート。
黒服という点においては、この学校に馴染んでいるように見えるが、これでもかと露出した足が相殺している。
謎の悩殺お姉さんの登場に、教室は静まり返る。
勿論、全員呆気に取られていたが、各々頭で考えている事は別だった。
「Aさん…！！」
一番に動いたのは、伏黒。
そして、次に動くは五条。
「背に腹は変えられん、窓から帰りますッ！！」
「逃さん。」
「あっ、」
ガタガタと慌ただしく、急いで窓をこじ開け飛び降りようとする五条。
しかし、悩殺お姉さんが人差し指をちょいちょいと動かしたかと思えば、五条は見えない何かに後ろから引き摺られ気づけばお姉さんに襟首を掴まれているでは無いか。
その姿、首後ろを掴まれ大人しくなる猫が如く。
「え、恵成長しすぎじゃない！？成長期怖〜って……あぁ！！？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2900人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鼻毛太郎(プロフ) - 麗華さん» コメントありがとうございます！🙌うん億年前に書いたイラスト、そういえばあったなとコメントで思い出しました笑刺さったようでとても嬉しいです🥺まだまだ長く続くシリーズ、ぜひお楽しみ頂けたら幸いです！ (8月17日 12時) (
レス) @page49 id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
麗華(プロフ) - 夢主ちゃんの過去編からみてイラストを見ましたがめちゃどタイプです………これからも応援してます〜！ (8月17日 9時) (レス) @page49 id: bc106b5b68 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 美咲さん» コメントありがとうございます…！凄く有難いお言葉頂けて感激です😭😭長く続くシリーズ作品ではありますが、ぜひ今後もお付き合い頂けると嬉しいです…！！🌸🌸 (2022年1月2日 1時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - 話の構成がしっかりしててそれぞれの物語があってこんなに面白くて読みやすくて引き込まれる作品は初めてです…！！素敵な作品をありがとうございます最高です！体調にはどうかお気をつけて！！ (2022年1月2日 0時) (レス) @page49 id: f6fdf86c66 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - yuuna1202さん» ありがとうございますーー！！；；今後もギャル先輩と後輩悟くんの二人を是非見届けてあげてください…！ (2020年12月9日 20時) (レス) id: 2a028e4c13 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2020年11月18日 23時
