【呪術廻戦】ギャルと呪術-1-

007：ギャルと最強の不調 ページ7

拝啓

湿気の多い六月となりました。
梅雨と五月病の長続きなど相まって、呪術界は繁忙期を迎えております。
特級呪術師の僕からすれば、そりゃもう大変な時期で猫どころか芋虫でもいいので手を借りたいところです。

芋虫に手なんかねーっつーの！ははは！！おい、今笑うとこだぞ。笑えよ。
と、まぁそれは置いといて。
一体何処のバカが呪術師は鬱にならないと決めたのでしょうか。
呪術師だって人間だっつーの。

そんな感じの気分が沈みがちな六月、いかがお過ごしですかお前達。

僕はね、めちゃくちゃ浮かれてるよ。


敬具




________。




「はーい、それじゃあ今日の授業はここまでー、起立気をつけ礼かいさーん！」

「はい、先生！！」

「なんですか、虎杖悠仁君。」

「まだ先生が来て10分も経ってません！！」

東京都立呪術高等専門学校1年のクラス。
その教室内にて、悠仁は声をあげた。
悠仁に続いて、両サイドの釘崎野薔薇と伏黒恵も声をあげる。

「出席取って雑談しただけで10分。」

「そもそも、15分遅刻してきてるしな。」

三人の言葉に、担任である五条悟は大袈裟に口を開く。

「まぁ！今年の一年生は厳しい子ばかりですこと！！先生だって授業したく無い時はあります！！」

「いや、仕事放棄はすんなって。」

野薔薇がすかさず言葉を返す。
呪術師はこんな界隈なので、変わった人間も多い。
その中でも五条悟という男は、少々、いやだいぶ変わっている。
こんな男を自由にさせている呪術界の将来が心配な伏黒だが、全てはこの男の力故だろう。
神はなんでこの人を最強に選んだんだろうなぁ…伏黒はため息を漏らす。

「それでも先生は帰ります。職員室に帰らせて頂きます。」

「実家に帰らせて頂きますみたいな言い方すんな。」

野薔薇のツッコミは今日も鋭い。
しかし、マイペース五条悟はそんな言葉など気にも留めず、授業道具をささっと纏め始めている。

「…なぁ、今日の五条先生可笑しくね？」

「はぁ？…いつも可笑しいでしょ。」

小声で尋ねた悠仁の言葉に、野薔薇がバッサリと返す。
これには伏黒も「確かに。」と頷くことしかできない。
五条の奇行は昔からだ。今に始まった話では無い。

「いや、そうだけど、なんかさぁ＿＿＿、」

「痛ッッ！！」

三人が声の主に目を向ける。
そこには、教卓に膝をぶつけた五条がいた。
伏黒は思わず目を見開く。


あの、無下限呪術の五条悟が…膝をぶつける？

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