035:ギャルと脳死 ページ35
_____。
「先輩、」
とりあえず一件落着となった事で、二人は廃ホテルから出る。
「ん?」
五条に呼ばれ、先を歩いていたAが振り返ったその時、肩にバサリと掛かる衣服。
「それ着てなよ」
あと、これもあげる。と、五条は目隠しの布をAの頭から被せた。
肩に掛かっているのは、五条の上着。
随分大きくて、Aの体はすっぽりと収まってしまう。
「その腕出したまま、うちの実家入るの嫌でしょ」
白シャツ姿の五条は、ポケットからサングラスを取り出しながら言う。
五条家は、呪術界御三家のうちの一角を担っている。
御三家は全てが長くから続く家系だ。故に、考えも古い。
むしろ、五条悟という男が異端児なのだ。
幾らAが、上層部に出入りする人間で権威のある人間であろうが、呪われている体を野離しにしている事をよく思っていない者も多い。
現禪院家の頭首なんかがそうだ。
五条家は、割と『可借夜家』自体と前向きな関係を築いている為、彼女を因子扱いする者はいない。
が、彼女自体が気が引けるだろう。
「これは?」
うんしょ、と被せられた目隠しを首まで引き下げ尋ねる。
「実家に顔出すだけだし、こっちでいーの。はい、これで誰でも五条悟〜」
上着のジッパーを引き上げてやり、最後の仕上げで目隠しをAの目元まで引き上げる。
これには、特級呪術師もニッコリ。
さすが僕だな、スマホは…あ、上着の中か。心のカメラで撮っておこ。
両の親指と人差し指を90度にし、カメラのフレームに見立てる。
すると、Aは「見て見て」と声をあげた。
「無量空処……とか言ったりしちゃってー!」
「ン゛ッッ」
心臓を抑える。
可愛いがいっぱい。いつまでも脳の処理が完結しない。
あれ僕、無量空処喰らってます??
「指どんなだっけ。こう…いや、こうか…って、袖長ぇー手が出ねぇー……悟?悟くん?」
反応が返ってこないのを疑問に思い、Aが目隠しを引き下げると目の前では五条が地面の上で倒れていた。
「…何してんの。」
「雑草と会話してる。」
「…楽しい?」
「ハッピージャムジャムって感じかな」
「……五条家の将来が心配だ。」
五条がぶっ壊れている原因は自分だとは露知らず。
Aは顎を摩り唸った。
「ほら置いてくよー」
Aは長い袖を振り、バイクの元まで歩いていく。
くん、となんとなく鼻を鳴らせば五条の匂いがした。
…この匂い、結構好きなんだよね。
言わないけど。
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鼻毛太郎(プロフ) - 麗華さん» コメントありがとうございます!🙌うん億年前に書いたイラスト、そういえばあったなとコメントで思い出しました笑刺さったようでとても嬉しいです🥺まだまだ長く続くシリーズ、ぜひお楽しみ頂けたら幸いです! (8月17日 12時) (レス) @page49 id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
麗華(プロフ) - 夢主ちゃんの過去編からみてイラストを見ましたがめちゃどタイプです………これからも応援してます〜! (8月17日 9時) (レス) @page49 id: bc106b5b68 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 美咲さん» コメントありがとうございます…!凄く有難いお言葉頂けて感激です😭😭長く続くシリーズ作品ではありますが、ぜひ今後もお付き合い頂けると嬉しいです…!!🌸🌸 (2022年1月2日 1時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - 話の構成がしっかりしててそれぞれの物語があってこんなに面白くて読みやすくて引き込まれる作品は初めてです…!!素敵な作品をありがとうございます最高です!体調にはどうかお気をつけて!! (2022年1月2日 0時) (レス) @page49 id: f6fdf86c66 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - yuuna1202さん» ありがとうございますーー!!;;今後もギャル先輩と後輩悟くんの二人を是非見届けてあげてください…! (2020年12月9日 20時) (レス) id: 2a028e4c13 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2020年11月18日 23時